Q 開業までの経緯と当時の様子を教えていただけますか?
大学卒業後、銀行に就職しましたが、大学時代から税理士を志していたので、「方向転換するなら早いうちに」と考え、1年半で辞めてしまいました。当時は無駄な時間だと感じていましたが、今では人間関係等無駄ではなかったなと。
3年後に税理士試験に合格し、会計事務所勤務を経て独立。ゼロからのスタートでした。時はバブル、みんな儲かる時代で、節税と資産運用がもてはやされた頃でしたが、独立後3年でバブルは崩壊。世の中は一変し、その後は赤字企業の立て直しに力を注ぐようになりました。
Q 現在はいかがですか?
現在、職員は23名、そのうち5名が社員税理士です。所長の私から見ても「レベルが高い」と思える税理士・職員たちです。開業から二十数年、このスタッフとともに、お客様の税務対策や資金運用に心血を注いできました。一方で、遺産相続を専門として業務を展開しています。
Q 相続に注力するようになったきっかけを教えていただけますか?
当時、広島には相続に力を入れている会計事務所がほとんどありませんでした。他人と同じことはしたくないと考えていたところ、レガシイの天野先生の本を読んでピンとました。すぐに「会いたい」と電話したところ、勉強会に誘っていただきました。当時、相続対策は流行っていない時期でしたので、参加者は東京から5~6人程でした。
その後、遺産相続を専門として業務を展開し、これまでに200件を超える相続申告をしてきました。相続はたくさん申告をしても、一つとして同じ家族はなく、依頼を受けるたびに初めての案件として取り組んでいます。「会社の申告は別の税理士に依頼しているが、相続だけはそちらでお願いします」と依頼されることが最近増えてきていて、「相続税の専門家のニーズが高まっている」と感じています。そういったニーズに応えたいと、「ゆうゆう倶楽部」を立ち上げました。
Q ゆうゆう倶楽部について教えていただけますか?
「ゆうゆう倶楽部」は、相続に関する不安や悩みを解消して、一緒に相続について前向きな気持ちで考える会です。
ここ最近、お客様から、相続について税金のことだけでなく、いろいろなこと(ご子息・ご息女の結婚のこと、お墓のこと、後継ぎ問題、介護のことなど)についてのご相談が増えてきています。そこで、「何か皆様のお役に立つ2とができないだろうか?」と考え、「ゆうゆう倶楽部」を立ち上げることになりました。
相続というと、どうしても重い問題として気持ちも暗くなりがちです。最近はこんなことがある、といった新しい情報をお伝えしたりするだけでなく、同じような悩みをお持ちの方々の、交流の場・情報交換の場としてもご利用いただいています。また、野球観戦などの行事もたくさん行って、楽しい会にしています。
Q 相談を受ける際に、気をつけていることはありますか?
会計事務所はお客さんにチャレンジさせるところではないと考えています。例えば、投資相談があったときでも、10人中9人が賛成するときに、保守的な立場で反対するようでありたいですね。もちろん無理強いはしませんが、「多分大丈夫だろうけど、こんなこともあるよ」と判断材料・情報を与えた上で判断していただいています。
Q 最近の取り組みについて、教えていただけますか。
本職は税務や会計ですが、仕事をしているうちに色々な相談を受けることがあります。例えば、跡継ぎはどうしたらよいか‥、子供が結婚しないのだが‥、お墓はどうすればよいか‥。皆、いろいろな悩みを持っていらっしゃります。
そんな中で税理士ができることとして、今、会社後継者の育成に力を入れています。会社後継者に、経営者としての基礎知識を教えるセミナーシリーズの人気が高いです。
また、最近では、税務のセカンドオピニオンを受け付けています。複数の税理士の意見を聞いて意思決定できるので、クライアントから大変喜ばれています。
Q 「後継者育成」「セカンドオピニオン」について詳しくお聞かせいただけますか?
会社後継者の育成については、顧問先でない2代目3代目を集めて経営者セミナーを行っています。30代40代で最低限知っておくべき、税務・経営知識をお伝えしています。3年くらい続けていて、週1回ペースで全10回、年3回くらい行っています。将来の顧客獲得を見据えて…というところもあります。
税務のセカンドオピニオンも、もう数年続けています。田舎なので、なかなか税理士を変わってくれる先はありません。MyKomonの電子会議室を利用しての相談対応もしていますが、それだけでは難しいので電話での対応や訪問を行うこともあります。複数の税理士の意見を聞いて意思決定できるので、大変喜ばれていますよ。
Q MyKomonではどのようなメニューを活用されていますか。
何といってもグループウェアですね。グループウェアがないと事務所がまわりません。事務所を空けることも多く、職員のことを把握するためにも、報告書システムは必須です。ネット環境さえあれば、どこからでも確認できるので助かっています。報告書を確認する際に、あわせてコンテンツを確認し、情報収集も行っています。
それから、遺産相続を専門として業務を展開していますので、相続財産シミュレーションも利用しています。 簡易な事前診断として、ビジュアルの良い帳票が出るのが良いですね。あとは、電子会議室を利用してお客様とのやりとりも行っています。
Q 最後にお客様へメッセージをお願いいたします。
若宮先生、ありがとうございました!