Q.まずは先生のことをお聞かせください。
税理士になられたきっかけはなんですか?
A.母が現在社労士をしているのですが、私が幼いころは専業主婦でした。子育てをしながら給食を作るお仕事などをパートという形でやっていたのですが、私が小学校高学年のころに銀行員だった父が経営コンサルタントとして独立するために脱サラをしたんですね。その時に父が母に社労士になるよう勧めて、母も懸命に勉強をした結果、社労士の資格を取ることができました。
母は専業主婦時代、ご近所づきあいのストレスから胃潰瘍を患ったり、ストレス発散の場がなかったりして窮屈にみえました。
そんな中、母が社労士になってからは、発言や行動がそれまでと打って変わって生き生きとしはじめたんです!資格を取ったからこそ変わったのだということが娘の私から見ても感じ取れました。女性にとって社会進出するのも難しいという中で、何か資格を取れば一人の社会人として、ビジネスマンとして認めてもらえるという実感がそこで生まれました。
だからこそ、何かしらの資格を取って母のようになりたいと強く思うようになりました。母が社労士、父が経営コンサルタントといった状況のなかで税理士がいたら仕事の幅が広がるというアドバイスもあり、高校生の頃に進路を決める際に税理士を目指すことにしました。
Q.税理士以外の資格は検討されなかったのですか?
A.検討しましたね。哲学や心理学に興味があって、各学校にスクールカウンセラーを配置しましょうという時代
だったので、カウンセラーも素敵だなと思っていました。ただ、母からの助言もあって税理士に決めました。
今でもカウンセラーの仕事には憧れがありますね。
Q.カウンセラーではなく、今税理士として働いている中で、
どんな税理士を目指されていますか?
A.まだ模索途中ではありますが、自分の色を出せたら良いと思っています。人の心に興味を持ち、一緒に悩んで答えを出せなかったとしても共感するといったような資質が昔から自分にはあると感じています。だからこそカウンセラーにも興味がありました。
経営者の方はとても孤独な立場に置かれています。相談する相手も限られていて、スタッフに心配の種を与えないように悩みを簡単に打ち明けるわけにもいかない。表に出せずに内に秘めている想いがある方が多いです。私のような外部の人間で、且つ税理士として会社や会計の中身を見られる立場だと、悩みを打ち明けやすい存在になれると思っています。カウンセラーのような、経営者の方に寄り添える税理士を目指しています。
私の中に答えがなくても、経営者の方が話すことによって整理できることもあると思うので、そこから必要があれば他の会社を紹介するなど、悩みに対する突破口になるというかきっかけを作れる存在になりたいです。
Q.そういった気持ちで接してもらえたら相手も安心できますね。
事務所の強みや特徴についても教えていただけますでしょうか。
A.元々父が始めた経営コンサルの会社があり、システム販売も行っています。グループの中で税理士業務だけでなく、経営コンサル、システム販売、社労士業務と行っており、中小企業にとって必要なサービスを幅広くカバーできると自負しております。そういった多角的な視点でのサポートが私共の強みです。コピー機の導入から労務や税務会計分野までご支援できるので開業の対応もバッチリです!どんなお悩みに対しても解決の糸口を提示できるよう、グループ全体で対応させていただきます。
Q.今力を入れている取り組みや将来目指す事務所像が
あれば教えてください。
A.基本的には自分が見られる範囲でやっていきたいと思っていますが、事務所の中で独立したい人が出てきたら応援しますし、その独立した人をきっかけにサポート体制が広がっていくというのも良いですね。企業のビジョンは難しくて悩んではいますが、現在の多角的なサポートという形は崩さず進めていきたいと思っています。
取り組みとしては、だれでもミスなく同じ業務ができるように標準化を目指しています。
年々システマチックになっていて、今年きついなと思ったことが来年も繰り返されないようにという強い気持ちで体制を整えています。打破できる方向性など、MyKomonに気付くきっかけをもらっているので、事務所を経営するにあたって良い出会いだったなと思います。
Q.税務会計分野を超えた支援を行っていると以前伺いましたが、
どんな働きかけをしたのか教えていただけますでしょうか。
A.顧問先に寄り添いたいという気持ちを常に持っていて、このコロナ禍という大変な情勢の中で税理士として手伝えることがないかずっと考えていました。助成金や給付金対応は国の仕事、民間でできることは仕事を創出することだと思っています。
イベント業界の顧問先が多いのですが、能力のある方たちが働けない現実がとてももったいないと感じていました。どうすれば仕事を創出できるのかを考えましたが、自分の中では考えがまとまらずにいました。この想いを社長にお伝えした所、一つのプロジェクトをまとめ上げていただけました。コンセプトはイベントが通常開催されるまでの間、忙しい人達の裏方となってイベント会社が生活をサポートするというものです。今までイベントの現場で培ったノウハウを生活の中に置き換えてニーズに合わせた様々なサポートをするのですが、このプロジェクトを立ち上げたことにより、仕事を創出することができました。
自分たちが今苦しいから仕事をくださいという待ちの姿勢ではなく、頑張っている姿を見せることで営業に繋げる、という流れができたと思います。こういった取り組みがあります、と私の他の顧問先にも紹介をしやすくなったので、顧問先同士でイベント開催を依頼するという新しい繋がりもできました。私自身もサプライズイベントの企画を依頼して、見事にやり遂げてもらいました。
みんなでみんなを助け合いたいという動きが広がったことがとても良かったです。寄り添い共に考えたいという自分の想いが、顧問先の見事な実行力で一つの形になったことがとても嬉しかったです。
Q.とても素敵な取り組みですね!
先生には今、MyKomonを導入いただいていますが
事務所運営においてお役に立てていることがあれば教えてください。
A.標準化の手助けになっています。システムで導いてもらっている気がしますね。困ったことがあって聞きたいことがあればフォーラムを利用しています。
あとはサポートの方とお話させていただいている中で、自分自身でも気付けることがあって、アウトプットすることで整理することができています。機能についてだけでなく、事務所運営に関わることなど、幅広くお話してくださるのが嬉しいです。私は税理士になってすぐに独立したので、他事務所の事例などを少しでもうかがえるのが有難いです。
Q.最後にご覧になっている経営者の皆様へ一言お願いします。
A.中村幸加税理士事務所の顧問先は主に中小企業の方です。日本は中小企業の努力に支えられていると私は思っています。こういった情勢だからこそ中小企業の方に元気になってもらえるように私たちがご支援します。
何を以て成功とするか、それぞれの形があると思うので、自分の成功に向かって頑張っていただきたいです。そのそれぞれの成功を目指すために、寄り添ってまいります。