会計事務所インタビュー

MyKomon会計事務所の会に参加している会計事務所の最近の活動や取り組みをご紹介します。

※掲載情報は、インタビュー当時のものです

「会計で世界をよりよくする」という理念のもとサービスを提供しています

年間100冊近く本を読まれるなど、学び続けることを大事にされている足立先生。知識が豊富だからこそ、しっかり先の状況を見据えたサービスに取り組まれています。

Q.先生が会計士を目指されたきっかけを教えてください。

実は、高校時代まであまり勉強をしたことがありませんでした。バブルが崩壊し、大学を卒業しても就職先が全然なかった時代で、私自身目標もありませんでした。行ったことがない土地で知り合いもおらず、なんで大学に入学したのだろう、と気力もない日々でした。やりたいこともありませんでしたが、父親から「本を読むように」と言われていたので、大量に本を読み始めたところ、「夜と霧」という本に出合いました。
一人の精神科医が、ナチスの強制収容所での経験を基に、絶望的な中で人はどう生きていくのかが書かれています。この本に、本当の死の理由は「希望をなくしたこと」であり、希望をなくした人から亡くなった、と書かれていました。
私は当時やりたいことが何もありませんでしたが、この本を読んで、明日に希望があるから生きていけるのだ、と思いました。そして、私はいったい何に希望や熱意をもって生きていくか、と考え始めた時、大学で勉強していた法律や会計学・経営学などが楽しく、面白いことに気がつきました。そこで、法律と会計学・経営学を一緒に生かせる仕事はないかと探していたところ、会計士に辿り着きました。変化する会社経営の専門医のような形で貢献できる仕事と知り、目指すことを決めました。

Q.事務所の強みや特徴を教えてください。

経理的な支援というよりも、経営者に数字をきちんと説明して経営に役立ててもらう、というやり方が特徴です。派生として記帳代行に留まらず、経理の仕組みを作ることにも力を入れています。なぜかというと、経営判断において会計情報はとても重要ですが、この情報は日々の経理から成り立っているからです。ただ、いくら数字を分析できても、経営者の知恵がないと結局は意味がないので、そのために社長塾を作り、経営戦略の勉強会を毎週行っています。
勉強会の内容は、私が会社をよくしていくために作ったメソッドを基に、①会計をきちんとすること、②経理計画を作ってモニタリングすることに取り組んでいます。経験から学ぶというのも大事ですが、一定のフレームワークから戦略をあみだして実行することも、大きな効果が得られますし、ただ教わったことを行うのと、理解して行うのとでは、結果は大きく変わってきます。その理解の差は、経営者自身が経営の勉強をしているか、でしょう。
もう社長塾は5年程継続しており、経営者同士でディスカッションもできるので、いい機会になっているようです。

Q.経営者のための勉強会を継続されていて素晴らしいです。

さらに事務所として、今後力を入れていきたいことはありますか?
中小企業・中堅企業含め、課題は「人手不足」だと思っています。その対処方法は二つあり、外注するか、もしくは社内体制を見直すか、です。
外注する方法で考えると、まずはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)が重要だと思っています。社内の仕組みを見直して、ある程度フローを作り、フローの中にどうやって外部の力をいれられるか、考えていくことが必要です。特に経理周りの業務は、知識と技能が求められるため、人材確保も簡単ではありませんし、社内の経理体制を見直したくても、知識が足りない、人もいない、という状況が中小企業になるとなおさらおきます。ただ、今後これが企業の成長課題だと思っています。
そのため、そういった中小企業の支援に知識や経験をもった私たちが入らせていただき、業務フローを作って、ここは社内、ここは外注でできますよ、と音頭を取って設計する、そういうことができると思っています。
また、AIが進んでいることもあり、経営が高度化しています。たいていのことはAIで調べられるようになるので、今後経営者にとって必要なことは創造性・知恵・決断力です。そのためには勉強できる環境が必要ですし、会計事務所として、経営者に経営に関する情報をきちんと提供すること、様々な情報をもとに、最終的にあなたの会社にはこういうことが必要ですよ、と伝えることが税理士の仕事であり、取り組んでいきたいことです。

Q.今後のことを見据えた明確な取り組み内容ですね。ぜひ先生が目指す事務所像を教えてください。

私がいなくても回る事務所です。会社の経営は、規則や強制力で経営する方法と、経営理念や考え方で経営する方法があります。両方必要だとは思いますが、会社が大事にしているものを作って、その理念を引継いでいきたい、というのが私の考えです。
開業につくった経営理念を一言で表すと、「会計で世界をよりよくする」。世界とは、お客様をはじめ、自分たちの仕事や家族など「周りをよりよくする」、という意味を込めています。社員がいて、その社員が働けているのは、その社員のご家族と協力があるからこそ成り立っているものであり、決して自分ひとりで成り立っているわけではありません。
また、経営理念は自分のために作った、という目的もあります。自分自身が何のために仕事しているか、と迷った時に、自分が実現したかったことを言葉にしたのがこの経営理念でした。

Q.周りの方を大切にされている想いが込められた経営理念、素敵だなと感じました。また、MyKomonがお役に立っていることはありますか?

仕事の7つ道具、フォーラムがいいですね。特にフォーラムは、私も知らなかったこと、どうなのかなと思っていたことを、他の方が書き込んでいるときがあるので、私自身勉強にもなっています。さらに、使えるフォーマットが充実していること。特にチェックリストはいいですね。新人の調べものなどはMyKomonが検索しやすく、ぱっと調べられるのでいいと思っています。

Q.嬉しいお言葉、ありがとうございます。最後に、経営者の方へ一言お願いします。

経営をしていくには、絶対に会計が必要です。ただ、これを税務のためだけにするのはもったいないと思っています。会計というのは本来経営をよくするための情報なので、そういう意味でとらえて、そして会計事務所を使ってほしいと思っています。