会計事務所インタビュー

MyKomon会計事務所の会に参加している会計事務所の最近の活動や取り組みをご紹介します。

※掲載情報は、インタビュー当時のものです

3つの“ツクル”でお客様の会社づくりを支援します。

バーチャルオフィスなどを活用し、時代に合った働き方でお客様を支援するツクル会計事務所の走出広章先生に、開業の経緯や事務所の特徴などのお話を伺いました。

Q.どうして税理士になろうと思ったのですか?

 私は、元々監査法人で公認会計士として働いていましたが、公認会計士では得られない感謝の言葉を税理士では得られると思い、公認会計士でありながら税理士になろうと思いました。監査法人で勤務していた頃は、その名の通り監査業務を主にしていました。会計監査業務は、税務調査に似て虚偽や不正を防ぐ仕事であるため、お客様から感謝される仕事とは言いにくいものでした。一方で、税務や事業再生のような業務は資金面や企業経営を支援する仕事であるため、社長の方々から「ありがとう」と言ってもらえる仕事だと思いました。
 また、会計・税務業務を通じて様々な方と会話をすることができる立場が税理士だと思いました。そこで、公認会計士として監査業務も行いながら、会計・税務業務も行えるように税理士になろうと思いました。

Q.開業までの道のりを教えてください。

 公認会計士という資格を取った当時から、いつかは開業したいという想いを持ちながら、監査法人で働いていました。当時、監査法人には9年間勤めており、7年間は法定監査業務・2年間は中小企業の事業再生や、M&Aを主に行う部署で働いていました。そこで、事業再生やM&A業務を通じて、町の中小企業の社長の方々とお仕事をする機会が多くなりました。少し変わった方も多くいらっしゃいましたが、その分「面白い」と思うタイミングも多くありました。同時に、世の中の中小企業の現状を知り、何とか自分が力になれるようなことは無いかと思うようになりました。そのため、9年間の勤務を経て開業するに至りました。

Q.事務所のお名前の由来を教えてください。

 元々、お客様の会社づくりを共にしていくという思いを込めた「共創」をもとに、合同会社TUKURU.を経営していました。税理士として事務所を立ち上げる際には、自分の名前で仕事がしたいという想いがあったので、走出会計事務所としていました。しかし、2023年に税理士が1名入ったことをきっかけに、1人ではなく組織として戦っていく必要があると感じました。そのため、走出会計事務所という名前からツクル会計事務所にしました。
 また、ツクルという名前には「創る」「作る」「造る」という3つの意味を込めています。「創る」とはお客様との共創を意味し、お客様が理想とする会社の姿に専門家としての知識を組み合わせ、本当の意味での“会社のあるべき姿”を共に創り上げていくことです。
 次に、「造る」とは、しっかりと会社を成長させていくうえで必要となる基礎造りを意味しています。基礎がなく、急成長してしまうと思わぬことで急激に崩れ落ちることがあります。よって、売上や利益だけを追い求めるのではなく、人事や労務などの制度構築にも携わっていくのが、私たちの責務であると思っています。会計士としてこれまでの経験が役に立っている部分です。
 最後に、「作る」とは、お客様と共に会計資料を作ることを意味しています。財務諸表などの資料の作り方は、会社や作り手によって様々です。私たち税理士だけでは資料は完成させることができず、一つの資料からお客様と共に作っていく必要があります。
 これらの3つのツクルを経て、初めてお客様から「ありがとう」という言葉をいただくことができ、お客様との「共創」が実現できると考えています。

Q.事務所の特徴や強みについて教えてください。

 1つ目の特徴として、場所を問わず利用できる会計システム(クラウド会計)によるテレワークがメインの働き方であることです。開業当初、クラウド会計という言葉が世に出始めた頃でした。当時は、ほかの会計事務所と同じことをしては生きていけないという考えがあったので、クラウド会計を中心に開業しようと思いました。その結果、働く場所に捉われることがなかったため、どこからでも働くことができるテレワークという環境になりました。
 2つ目の特徴として、データでの資料の受け渡しがあります。メインの働き方がテレワークということもあり、ほとんど紙の資料がありません。現在では、ご契約時にデータでの受け渡しのお約束をすることで、9割を超えるお客様とのデータの受け渡しを実現できています。
 3つ目の特徴としてお客様との質疑応答は主にテキストなのですが、ご面談を希望される場合は、バーチャルオフィスを活用し、面談を実施することも挙げられると思います。
強みとしては、「テレワークでの働き方」「データでの資料の受け渡し」が考えられますが、最大の強みは、会計士の際に上場企業という企業のあるべき姿を知ったからこそ可能なアドバイスができることだと思っています。

Q.MyKomonでお役に立てていることはございますか?

 テレワークという環境もあり、事務所の工数分析は必要だと思っていました。
 MyKomonを入れるまでは、GoogleフォームとGoogleスプレッドシートを駆使して工数の管理をしていました。毎日出勤時間・退勤時間を回収していたため、データ量も多く集計がとても大変でした。MyKomonの導入で、このような作業を無くすことができたことは、とても助かっています。また、お客様とのやり取りなどの情報もMyKomonで集約できています。そのため、会計事務所に関連する情報の一元化のためのツールとして活用できています。
 ただ、従業員の教育のツールなどはまだまだ活用できていないため、今後活用していきたいと考えています。約7年間、様々なツールを模索してきた結果、MyKomonにたどり着くことができました。

Q.今後の目標をお聞かせください。

 当面の目標は事務所をしっかりとした組織にすることです。そして、お客様と成長し続けることを通じて、中小企業の本当の意味での経営のパートナーになることが目標です。そのためには、事務所の基盤がしっかりと整えられた状態である必要があると思います。所内管理、所内業務効率化、組織体制づくりなどを通じて事務所の基盤を整えていきたいです。