会計事務所インタビュー

MyKomon会計事務所の会に参加している会計事務所の最近の活動や取り組みをご紹介します。

※掲載情報は、インタビュー当時のものです

英語対応、国際税務もお任せ!「三方良し」で寄り添います

大手企業から一念発起、税理士の道へ。持ち前の決断力と行動力、そして顧客への熱意で 厚い信頼を得る。そんな札幌でご開業の素敵な先生をインタビューしてきました。

Q.先生が税理士になられた経緯を教えてください

 「降りてきた」という感じです。 

 大学(英文科)を卒業後、新卒で大阪の大手一般企業に入社しました。広報・広告宣伝部に配属されたのですが、結婚して東京に引っ越すことが決まっていたため、手に職をつけようと大阪本社の在職中に宅建を取得しました。宅建は不動産取引の基本的な考え方と、何より民法の基礎を勉強できたので、税理士業務にも非常に役立っており、勉強して本当に良かったと思っています。広報業務は楽しかったのですが、一方で、困っている人の役に立つ仕事をしたいと思ってもいました。8月のある日、偶然書店で手に取った求人雑誌に、当時はまだ珍しかった外資系の大手監査法人系事務所の「どのような経験も高く買います。ただし、弁護士、会計士、税理士などの資格保有者を優遇します」という広告が、あまりにもかっこよくて衝撃を受けました。ここで「優遇されて働いてみたい!!」と思い、一年に一科目ずつ合格すれば良いなら、なんとかなりそうだと思って税理士の資格を目指すことを決意しました。その日、その足で、大原簿記専門学校の説明会に参加し、その場で9月からの短期集中コースに申し込みました。一ヶ月後に会社を辞め、簿記3級・2級を一ヶ月で終わらせ、10月から税理士科に入学したのが始まりです。結果的に、広告で見た事務所への就職は叶いませんでしたが、私が税理士になるきっかけをくれたその広告には、今も本当に感謝しています。

Q.すごく思い切った決断と行動力ですね。転職雑誌の広告をみて、人生が大きく変わったわけですね

 はい。夫は「できるんじゃない」と言ってくれましたが、それ以外の人から無理だからやめとけと反対されました。

 実際、税理士試験の勉強は大変ではありましたが、受験仲間に恵まれて、楽しい受験生活でした。受験仲間とは今も仲良く情報交換しています。時に一緒に仕事することもあり、私の宝物です。所得、法人、相続の国税三法の受験勧めてくれたのも受験の先輩方でした。受験で勉強したことは実務で本当に役に立っています。所得税の試験に3回落ちて、ノイローゼ気味だったとき、泣きながら先輩に電話したところ、「家になんかいないで、海でも山でも行ってきなさい!」と言われてすぐに山に遊びに行き、元気を取り戻したこともありました。 

Q.決断力と行動力は先生のクライアントである経営者の方々にも大事な要素だと思いますが、税理士として他人の人生に関わるというのは難しい場面もあると思います。責任やプレッシャー、とても難しい相談を受けることもあると思いますが、どういう方針で対応されていらっしゃいますか

 お客様にとって、私は唯一の顧問税理士ですから、私もお客様のことを家族同然に大切に思っています。私の一言が他人の人生に大きな影響を及ぼしますので、真剣に取り組む価値のある仕事だと感じています。時には寝食を忘れるぐらいに。 

 会計ソフトの使い方や日常的な資料のやり取りはスタッフに任せられますが、重要な意思決定に関わる相談は税理士が直接対応しており、それがうちの強みにもなっています。 

 また、税務署はもちろん、それ以外の役所でも、お客様に問題が起きたときは必ず間に入ります。また、融資、他士業の紹介の場など、お客様が大事な面談をする際には、お客様を一人にせず、積極的に同席するようにしています。税理士が関わることで先方もお客様も安心されますし、ややこしい問題がスムーズに問題解決できたときは、双方から感謝されるので、そんなときは、本当に嬉しいですね。 

Q.寝食を忘れるぐらい考え抜いて選択肢を提示するというところで、そのバイタリティや体力も先生のすごさですよね

 腰痛対策に、毎朝犬の散歩をしています。また、週に一度はテニススクールで汗を流しています。すごく下手ですけど。運動すると、体がしゃきっとして、その後は仕事が捗ります。 

 また、自分がいつ急死してもお客様に御迷惑をおかけしないように、毎年顧客に一年分の仕事を全て一冊のファイルにまとめてお返ししています。初回面談でも、必ずお客さまにその説明をします。そのファイルには年内に出した届出書などが全て含まれており、次の顧問税理士に渡せば全ての引き継ぎができるようなっています。控えは事務所に保管しているので、紛失した場合でも対応できます。さらに、信頼できる人に後を継いでもらえたら、より安心なので、いま、税理士と科目合格者の採用活動中でもあります。 

Q.税理士資格を取られた後の開業までのストーリーはどうでしょうか

 合格後は、東京の税理士法人に就職しました。とても良い事務所だったのですが、子育てとの両立に悩んだ末、退職し自宅で開業しました。その後、夫の仕事の都合で札幌に移住しました。結局、子供二人を育てていた15年間は自宅で、一人で仕事をしていました。気づくと顧客がどんどん増えてきて、入力を外注するなどはしましたが、それでもきつくなり、「このままではだめだ、なんとかしなければ」と悩んでおりました。そんな時に名南さんの工数分析レポートに出会い、業務効率化の可能性を感じて衝動的にMyKomonを契約しました。その後、しばらくして試しに参加した税理士向けの経営セミナーで講師の先生に、「あなたこそ経営者になるべき」とアドバイスされ、事務所拡大を決意して、その日のうちにネットに求人広告を出しました。10日ほどで面接を行い3名採用したものの、自宅では対応できないことに気づき、慌ててオフィスを探し、結局、決意してから一ヶ月半で事務所を開設しました。それが一年半前のことです。 

Q.採用や事務所移転ところでも先生の決断力と行動力が表れていますね。先生とお会いしたのが年前で、移転されたのが年半前ですね。懐かしいです。 

 はい、名南さんとの出会いは運命的だと感じています。契約当時は人税理士でしたし、営業の方に手取り足取りご指導頂いたものの、忙し過ぎて、あまり使いこなておらず、ちょっと贅沢だったかなと思いましたが、職員採用後はMyKomonがとても役に立ちました。MyKomonの導入、採用、事務所移転と、順番がめちゃくちゃでしたね。でも結果的にあのタイミングで導入して良かったと思っています。スタッフのスケジュール管理を、各自のPC内でできたことは、大変満足しています。また、給与計算、顧客管理、業務の進捗管理など、MyKomonなしには複数人での事務所運営は成り立たなかったと思います。スタッフ採用直後から営業の方から直接オンラインで指導していただき、スタッフ全員がすぐに勤怠管理や給与計算などを効率的に行えるようになり、大助かりでした。 

Q.ありがとうございます。でも、今でこそMyKomonの価値を感じていただけているかと思いますが、なぜ開業当時MyKomonを導入いただけたのでしょうか。

 これもまた「降りてきた」感じです。「導入すべき」と直感しました。 

 途中からMyKomonを導入すると、スタッフが業務記録の入力に抵抗を感じることがあると聞きましたが、うちは最初から、どのお客様のどの業務を実施しているかを、各自がリアルタイムで入力するルールで始めたため、不満が出ていません。ときどき、税理士報酬を、定額ではなく、作業時間で請求することがあるのですが、請求書作成時に、請求書に何月何日の業務で何時間かかったかを明確に記録でき、担当者別の単価も区別できるので大変助かっています。 

 また研修動画も便利です。全く未経験の3人のスタッフを採用した際、私が全てを教えることができないためMyKomonの未経験者向け研修動画を活用しました。会計事務所の職員としてのマナーから年末調整のチェック方法まで、各自で研修動画を見てもらうことで効率的に学習してもらえました。初年度は、顧問先が作成した800人規模の年末調整のチェックを行いましたが、研修動画のおかげで、初心者のスタッフたちの助けを得ることができました。昨年は1000人の年末調整のチェックもスタッフがサクサクとこなしてくれ、私は確認のために抽出チェックするほか、職員たちでは判断がつかない箇所だけをチェックするだけで済みました。確定申告期も、簡単に事務所内研修をしましたが、あとは各自でMyKomonの研修動画をみてもらいました。忙しい中、スタッフのスキルが上がり、感謝しています。 

Q.うれしいお言葉ありがとうございます。ただそれはMyKomonだけではなく先生ご自身の魅力によるところが一番大きいと思います。本当に良いスタッフの方を採用されて、定着もされていますよね。

 はい、スタッフにも感謝しかありません。初年度はまだ業務量がそれほど多くなく、最初に私が持っていた仕事を、スタッフにシェアする形でしたので、確定申告期も、スタッフの残業はゼロでした。私が大部分を担当し、スタッフには医療費計算や所得内訳書など部分的な業務を担当してもらっていました。その後経過してから顧客数も売上も倍になり、今も増え続けていますが、スタッフのスキルも上がり、みな頑張ってくれています。

Q.お客様と売上が倍になっていく中で、どのような事務所づくりを意識されていますか 

 「三方良し」を意識しています。まず、職員が仕事や職場に誇りを持てること。次に、サービスが本当にお客様のためになるか。税理士が勧めれば何でも受け入れてくださるお客様も少なくないと思いますが、それに甘んじて、お客様にとってベストではないかもしれないものを勧めることはしません。 

 時には、採算度外視で手のかかるお仕事を引き受けることもあります。目の前に相談にいらっしゃったお困りの方に、「なんとかして差し上げたい」という気持ちで、やばいかなと思いつつも、つい引き受けてしまう感じなのですが、実はそういう仕事を引き受けることで、後で思いもよらないご縁をいただいたり、また、通常の業務では得られない知識や経験を得られたりすることもあります。また、そういう仕事を一緒にやってくれる、同業者、弁護士、司法書士、社労士、行政書士、FP、不動産業者さんとは、強固な信頼関係が生まれ、そういったご縁はお金を払っても手に入らないものなので、面白いですね。

Q.来るものは拒まず、去るものは追わず」とおっしゃっていたこともありますね

 はい、他の税理士事務所が断るような難しい案件も受け入れています。例えば、北海道開拓時代からの複雑な権利関係の不動産や、ハワイなど海外不動産の譲渡所得の確定申告、国税局の税務調査の立会複数年度分の確定申告外国籍の方、外国法人など。これらの複雑な案件を処理することでどものスキルが上がり、人脈も広がります。難しい仕事ほど面白く、新たな学びがあります。また、人生は何度でもやり直せると信じていますので、過去に失敗や問題があった方でも、全正直にお話いただけるのであればお力になります。 

Q.英語対応もされているのですね

 年前から北海道税理士会の国際委員を引き受けています。また、年に数回は、公益財団法人札幌国際プラザでの外国人向けの法律専門家相談会にも相談員として参加しています。私の英語力は日常会話レベルですが、メールは翻訳ソフトもあるので問題ありません。また、事務所ではバイリンガルスタッフも活躍中です。最近外国法人の案件も扱うようになりました。ニセコなど北海道各地の外国人顧客だけでなく、首都圏からも依頼があります。 

Q.今後の展望についてもお聞かせいただきたいです

 ITの急速な進化に対して怖がらず、楽しみながら取り入れていきたいと考えています。弥生会計をメインに使用していますが、クラウドソフトも顧客に合わせて積極的に導入しています。また、議事録作成などでは生成AIによる効率化も行っています。 

 将来的には、フリーランスなど小規模事業者向けの定期的な経理指導イベントを開催したいと考えています。月1回または二ヶ月に1回、「自分で記帳しよう会」のようなイベントです。これは、スタッフが採用面接の時にそういう活動をやりたいと話してくれたのですが、実は私もやりたいと思っていました。会計ソフトウェアメーカーの協力を得られれば鬼に金棒なのですが、まだ模索中です。 

Q.とても素敵なスタッフの方ですね

 そういう高い志を持った人に入ってきてほしいです。うちには面白い仕事がたくさんあります。国内外の案件、資産税、法人、個人と幅広く扱っているので選び放題です。現在採用活動をしているところです。いい人がいたらぜひ紹介してください。 

Q.今後の事務所づくりにMyKomonもまだまだお役に立てますか

 MyKomonは既に、事務所業務に不可欠なツールとなっています。新規顧客が初回面談に来る時点で、契約前でもIDを発行して準備します。初回面談でほぼご契約が決まりますので、その場でMyKomonの使い方をご説明し、必要書類のアップロード方法も伝えています。いまは、みなさん、普段から様々なアプリを使われているせいか、すぐに使えるようになり、「これは、セキュリティも安心だし、便利ですね!」と喜ばれますし、その後の個人情報を含む資料の受け渡しなど、業務進行がスムーズになります。 

 また、進捗管理表の機能にも助けられています。納特、年末調整、償却資産税申告、確定申告のたびに、スタッフ全員が、全体の進捗を見ながら、各自で優先順位を把握して、業務を進めています。

Q.そこまで使いこなしていただけると、とても嬉しいです。それでは最後にこの記事をご覧になる経営者の皆さまに一言お願いいたします。 

 経営者が、大きな夢を持って、旗を振って走っていかれるその後ろから、私もついていきます。みなさまが従えていらっしゃる多くの参謀の一人として、我々税理士を活用して頂けましたら幸いです。

ありがとうございました!