会計事務所インタビュー

MyKomon会計事務所の会に参加している会計事務所の最近の活動や取り組みをご紹介します。

※掲載情報は、インタビュー当時のものです

3つの視点で長寿企業をサポート

令和元年5月1日に父親の松下欣司会長から、長男である松下英司所長へと事業承継が行われました。これまでの事務所の歩みや事業内容、後継者としての心構えについて伺いました。

Q まず初めに、英司先生が税理士を目指したきっかけを教えてください。

父から事務所を継ぐように言われたことはないのですが、父が働いている姿を幼少期からずっと見てきたこともあり、自然とそうした気持ちが育まれたように思います。大学入学で上京することを機に、公認会計士・税理士への思いが確固たるものとなりました。

松下英司 所長


Q 大学卒業後には大手監査法人にて勤務されていたそうですね。平成25年には熊本へ戻られたとのことですが、どのような変化がありましたか?

当時(監査法人時代)は、上場企業の会計監査業務を軸に、大企業や上場を目指す企業の総務経理支援を行う中で、株式流通の仕組みやクライアント企業の様々な部署との連携など、多くを学ばせていただきました。
公認会計士になった当初から父の事務所を引き継ぐつもりだったので、30歳を機に熊本へ戻ってきましたが、父の事務所経営を隣で見聞きしながら経営に携わる経験を通じて、これまで以上に経営者とより深く、密なコミュニケーションを図ることができるようになったと実感しています。「お客様により大きな付加価値を提供できる」と嬉しく思ったことを、今でも鮮明に覚えていますね。

 


Q 先生が中小企業の経営支援の一環として取り組まれている「未来監査R」には、とても興味を持っています。事務所の特徴、強みについてぜひ教えてください。

弊所の特徴の一つは「長寿企業をサポートする体制が充実している」ということです。

具体的には、
(1)企業・家族・コミュニティとの共存共栄を実現する支援
(2)経営理念を中心に据え、一貫性を持った組織運営を行う支援
(3)時代に合せた会社形態を適切に選択できる支援

企業が長寿企業になるために「逆算」の考え方のもと、3つの視点に着目しサポートを行っています。中でも、企業経営を取り巻く環境は変化し続けており、日々、多種多様な価値観が生まれる一方で、法的なコンプライアンス遵守を求められるといった、とても難しい課題があります。経営者が変化に対応しつつ、課題と向き合っていくためには、専門家である弁護士や不動産鑑定士、司法書士、社会保険労務士、そして私たち税理士らが連携し、支えていく必要があると考えます。だからこそ私たちは、よりお客様の経営に迫った支援を実現させるために「一般社団法人日本経営支援協会」を立ち上げました。幅広い視点から、経営をサポートできるバックアップ体制が、同時に弊社の強みでもあります。

何よりこの経営支援におけるベースとなるのが「未来監査R」です。経営者の頭の中にある「未来」をより具体化させるとともに、企業の現状把握、経営計画の策定を繰り返しながら、サポートを行っています。100年以上の歴史を持つ「長寿企業」へ成長するご支援をさせていただくことは、一つのやりがいにも繋がっていますね。

経営をともに考えるマネジメントゲーム開催の様子


Q 経営のパートナーとして、心強い存在だと思います。企業経営を支える上では、多方面の知識や経験も必要かと思いますが、自事務所におけるサービス実現に向けてのビジョンについてお聞かせください。

そうですね。以前、株式交換スキームによる組織再編案件を担当させていただいたのですが、このような高度な案件に対応できるのは、所内では私1人だけです。うまくいった時の大きな充実感はあったものの、やはり一経営者として冷静に考えると、お客様からのご相談において「難しい案件は私しかできない」というのは決して好ましい状態ではありません。
父から受け継いだこの事務所を次代にしっかり繋いでいくことは、経営者である私の大切なミッション。まだまだ引退を意識するような年齢ではありませんが、令和を駆け抜け、それが終わると同時に後継に道を譲るイメージを私自身持っています。
私が大切にしている経営理念をきちんと受け継いでくれる、弊所の後継者を育成することが私に課せられた使命でありテーマです。しっかりと取り組んでいきたいと思っています。


Q 自事務所の事業承継を経験された上で、「長寿企業」誕生に向けて課題となるであろう後継者育成。MyKomonに今後期待いただいていることはなんでしょうか。

これまでのやり方を大切に同時に見直しながら、これから共に歩んでくれる職員が働き続けたいと思える環境づくりも私たち自身が長寿経営を実現させるために必要な要素です。
現在、MyKomonとサポートのもと会議体を構成し、現状と向き合い「問題の顕在化→課題化→解決」に向けた取組をはじめており、この職員主導の仕組化を通じて、パラダイムシフト時代の中での会計事務所のあるべき姿へと邁進しております。
これからの時代、自動化が進む中、人が携わる業務の中にツール(仕組)をどう活用するか、その「考え方」も繋げていく機会にしたいと捉えています。

商業高校にて会計業界の役割とミッションをテーマに講演
「考え方」を未来へ繋ぐ機会の一つとして定期的活動


Q 松下英司先生、ありがとうございました。最後に、経営者の方に向けて一言お願いいたします。

社長は、「夢・金・時・身」それぞれを持ち活躍し続けることに価値があると考えます。そのため必要なことは勉強好きであり、素直であり、謙虚であり続けることが大切なのだと私自身が経営を通じて感じます。
このような時代に生まれた者同士、お互いに成長し合えれば嬉しいです。