Q.税理士を目指されたきっかけを教えてください。

 税理士を目指したきっかけは、自立して生活できる職を手に入れたいと思ったからです。
 私の実家は、千葉県で建設業を営んでおり、高校・大学の時には家業を手伝っていたこともありました。その影響で大学卒業と同時にゼネコン業界へ就職しました。上司や先輩、同僚に恵まれましたが、入社2年目の時に同業で会社更生法を申請した会社があり、将来のことを考えるようになりました。その頃は就職氷河期で業界の将来性に焦りを感じたのです。技術職であれば手に職があり再就職もしやすいと思いましたが、そうでなければ何か取り柄がないと難しいだろうなと感じ、資格取得を考えるようになりました。
 資格取得に関して、私が考えた観点は3つです。(1)再就職に備えてその資格で独立して生活できること、(2)働きながら取得可能であること、(3)自分自身が面白そう!と興味が持てること、この3つを中心に考えました。紙幅の関係上詳細は割愛しますが、ゼネコンでは、JV工事の予実管理を通じて、現場とマネージメント部門の橋渡し的なことしており面白く感じておりました。そこで家業の手伝い通じて知った「税理士」という職業を調べてみるとそのゼネコンとの経験と重なり、そこから本格的に税理士を目指し始めました。

 


Q.働きながら資格取得の勉強は大変だったと思いますが、両立させるにあたり工夫したことはありますか?

 働きながら資格取得の勉強両立期間は、最初の1年と最後の1年の2年位で、途中1年4か月ほど、勉強に専念した期間があります。そのうえで両立にあたり工夫したのは、3つあります。
ひとつは(1)勉強時間の創出 です。
 私は、勤務先の通勤時間が2時間近くのところに住んでいたため、往復約4時間の勉強時間を強制的に確保できました。その約4時間は、ほぼ条文等の理解に充てており、当時のテキストは、ほぼ全部覚えていたかと思います。

そして、(2)規則正しい生活 です。
 実は、最初の1社目では、上司や先輩に可愛がれ、毎晩のように飲みに誘われていたので規則正しい生活はできておりませんでした。規則正しい生活は、受験専念期間に課したもので、それが会計事務所の再就職後の合格まで継続しました。受験専念期間は、サラリーマン時代と同じ時間に起床し、専門学校に通い、閉校になる時間まで勉強しておりました。再就職後は、睡眠時間は6~7時間を確保して健康を保つことを再優先にしました。なお、机での勉強時間は、残業があるので波がありますが、平日で1時間程度は確保できていたかと思います。なので、平日は通勤時間と合わせると5時間程度は勉強しておりました。

最後は、(3)仕事を覚える です。
 私は、資格取得の勉強も大切ですが、それと同じ位再就職組で会計業界に入ったのが少し遅かったので、早く仕事を覚えたいという思いが強かったです。そのため、多くの実務経験を積むため、分業制を取っていない10人前後の会計事務所を選択して再就職活動をし、再就職できました。そこでは、公認会計士の事務所も兼務していたため、上場企業子会社を含む一般企業会計税務に加え、医業先の開業手続きや法人化、相続、会社の登記手続きなど本当に多くの経験を積ませて頂きました。私の会計事務所の経験はここの2年しかありませんが、開業してここまでやってこれたのは、ここでの経験が大きいと思います。


Q.事務所の強みや特徴を教えてください

 事務所の強みは、「ゆりかごから墓場まで」といいますか、創業から相続まで全てお手伝いができることだと考えています。弊社のクライアントの半数は創業時からお手伝いをしておりますので、会社の状況や困りごとに応じたノウハウを蓄積しています。
 私は、先にも述べたとおり開業前は2年の税理士事務所での勤務経験を経て、当時IPOを目指していた一事業会社で6年ほどお世話になり、それこそIPOやM&A等の実務を経験させていただくと共に、組織運営も学びました。また、開業当初は、会社の承継、清算や創業者の相続までの業務を請け負っており、今も、そのお手伝いをしたお客様からの紹介でお手伝いすることもあります。
 このような経緯から、創業ステージから成長ステージ、そして会社の清算に加え、お亡くなりになった後の相続まで、どのステージのお客様にも幅広く対応できることが強みです。

 

 

Q.事務所として今後力を入れていこうとしている取り組みはありますか?

 今後事務所として力を入れたいことが3つあります。
 1つ目は、医療関係のサービス提供です。
これまでは、「一般企業の支援」、そして「相続」という大きな二本柱でサービスを提供してきましたが、三つ目の柱として「医療関係のサービス」を提供していきたいなと考えています。そのためにどのように動いていくか、現在検討しているところです。
 2つ目は、職員の教育・育成です。実務の経験は、弊社のクライアントから日々学ばせていただいておりますが、現在クライアントにない業種に関しては、MyKomonの提供している研修等で学んでいます。該当のお客様がいらっしゃった際にすぐ対応できるように準備しておくことが大切だと考えています。
 3つ目は、事務所業務の効率化に取り組みたいと考えています。おかげさまでようやく少しずつ成果が出始めておりますので、その流れを絶やさずにまだまだ効率化を進めたいと思っています。日々、様々な便利ツールが開発されておりますので、それらを上手に活用したいです。


Q.先生が目指す事務所像を教えてください。

 私は事務所拡大をあまり考えてはいません。事務所の採算等も考慮し、無理に拡大した結果、疲弊してしまう…というようなことは避けたいと考えています。事務所のサイズに応じたサービスを着実に提供していき、成長して少し服がきつくなったなと思ったとき、大きな服に着替えるというイメージで、少しずつ成長していきたいと考えています。
 会計業界には、税制改正等の様々な環境変化があります。日々情報をキャッチアップし、既存のお客様へ地に足をつけてサービス提供を行うことで、事務所としても進歩していきたいです。


Q.MyKomonがお役に立っていることはありますか?


 本当にたくさんあります(笑)いつもありがとうございます。
 先ほど申し上げた通り、MyKomonの研修コンテンツをよく利用しています。他社サービスでは、税理士向けやある程度のベテラン向けのコンテンツが多いなか、MyKomonの会計担当者養成動画は税理士事務所のスタッフ向けに作成されている内容が多く、職員の教育・育成に非常に重宝しています。具体的には、「難しいことをやさしく学べる」のが良いと感じています。私自身を含め、ある程度知識のある者が教えると、知識をひけらかす様になってしまいがちです。その点、MyKomonは必要な情報をコンパクトにまとめてくれています。
 また、クライアント向けの案内ツールも充実しています。毎月のニュースレターをはじめ、今であればインボイス制度、少し前は助成金の情報など、その時々に応じた情報をタイムリーに発信してくださるので、とてもありがたいです。
 そして、工数分析の機能も重宝しています。やはり私自身も一経営者であるため、工数分析の機能はとても助かります。工数分析を通じて、それぞれの職員がどの業務にどれだけの時間を割いているか把握することができるので、職員がどこで躓いているかを分析できます。また、過去の実績とも比較ができるため、事務所全体の努力の指標になっています。各職員が各々のクライアントに対して工数の意識を持って活動できるのは良いことです。
 それから、相続財産シミュレーションも便利です。相続のご相談があった際、情報を入力するだけでMyKomonから簡単に見やすい帳票を出すことができます。申告時のダブルチェックとしても活用できますので、非常に重宝しています。


Q.最後にご覧になっている経営者の方へ一言お願いします。


 経営者の皆様には、日ごろ雇用創出や経済活性化に寄与していただき、本当にいつも頭が下がりっぱなしです。私は、そのような経営者の皆様と伴走するべく、業界の慣習や関連法について日々勉強をして、弊社側で改善すべき事はすぐに改善・実践していきたいと考えています。「ちょっとだけ話を聴いてみてもいいかな?」と思っていただけましたら、弊社までお声かけくださるととてもうれしいです。