実はもともとまったく会計業界を目指すそうとは考えてはいませんでした。イベントの会社に就職したいと思っていたくらいです。ただ大学生のころに親孝行する間もなく母が亡くなり、何か親孝行できることはなかったかと考えてる時期を経験しました。その際に一度も会計業界へ誘ってこなかった父親から「公認会計士の試験を受けてみないか」と声をかけられ、「もしかしたら、このことが親孝行にもつながるかもしれない」と父の一言が大きなきっかけとなったことを覚えています。
70年という歴史の長い事務所ですが、実は私は引き継ぐに当たってプレッシャーを感じていなかったんです。むしろ、先代から引き継いだ事務所は当時、うまくいっていないところがあり、「改善する部分があって、やりたいことができる」というプラスの考えを持つことができました。できることは何でもやろうと思い切ってやることができました。
また、私自身もともと監査法人で働いていており、税務経験がない状態のスタートでした。そのため、税務知識のない自分が事務所を良くしていくために何ができるのかという不安のほうが大きかったことを覚えています。そのときとにかく心掛けていたのは、わからないことを恥とは思わず、知っている人に聞き、情報収集をすることです。「お客様に対してできることはなんでもしたい」とお客様の満足を第一に考えていました。
そうですね。私自身が考えている「お客様のためになるのであれば、何とかしてあげたい」という想いが職員にも伝播し、職員自らお客様へ喜びを提供し、達成感を得てもらうことが一番の仕事の喜びやりがいだと最近感じています。お客様のことを本気で考えられる職員が育ってきているところを非常にうれしく思います。事務所全体での成長を実感できますし、経営者の本当のニーズを引き出し、そのニーズに応える姿を見れることは非常にうれしいことです。
職員数は総勢16名で、男女比は半々くらいの事務所です。祖父が70年前に練馬区で開業をしてから、ずっと地元に密着した会計事務所です。父から事業を引き継ぐ際には「今までやってこれたのは地元である練馬区の皆さんのおかげだ。地元に支えてきてもらったからこそ、この練馬区を大切にしてほしい」とお互いに熱く語り、やはり、地元へしっかりと貢献できるようにしたいと感じたことを覚えています。地元への貢献の基本は崩さず、「笑顔を結ぶ架け橋」をテーマとして、お客様の困りごとを税務という枠組みにとらわれず、困りごとはすべて解決したいという強い思いがあります。お客様の笑顔を作るためにネットワークも活用しながら、笑顔の連鎖を作っていくことを理念として考えております。
職員にも実際の経営を経験してもらう場を作り、お客様(経営者)の気持ちになってもらえるような人を育てることができるような事務所にしていきたいと考えています。「経営者の気持ちは経営者にしか分からない」という言葉を良く耳にするように、私自身はお客様に寄り添い困りごとを解決するためには、お客様と同じように経営の経験が必要だと思っています。事務所内に経営者と同じ気持ちになれる職員を増やせるような仕組みを作れたらと考えています。また、職員には社会に貢献できていることを実感してもらい事務所で働いていることを誇りに思ってもらえるようにしたいとも考えています。
経営をしていく中では多くの失敗を経験しながらも、その中で1つの成功をつかむためにとにかく行動することが大切なことだと私は考えています。経営者の皆様と一緒に前向きに進み、共に成長していけるような事務所を目指していきます。
税理士法人矢﨑会計事務所
http://yazaki-kaikei.com/
矢﨑先生、本当にありがとうございました!
※本インタビューページの内容は、公開日時点での情報となっております。