大学を卒業して証券会社に入社しました。営業として100本ノックのように飛び込み営業を行っている中で、「税理士さんに相談してみます」と言われることが多くあったんです。今では断り文句だと思うのですが、当時インターフォン越しでのやり取りしかできず、対面できなかったようなお客様がとても信頼されていて、税理士の仕事とは一体何なのだろう、と興味を持ち始めました。
そしてある日、数少ない貴重な提案機会に向けて資料作成やプレゼンの練習など綿密な準備の上お客様のもとへ伺ったのですが、「今から税理士さんが来るから帰れ」と言われてしまい、そのあとすれ違った税理士さんが当時20代前半の私とさほど年齢が変わらないように見えて、とても衝撃を受けたのを覚えています。その出来事がとても悔しくて、興味関心が一層強くなりましたね。
自分自身独立志向が強く、証券会社に入社しましたが本当は個人投資家になろうと思っていました。それは夢破れてしまったのですが、自分で事業をしたい、という夢を実現させるため、当時電話とFAXさえあれば税務の知識を基に事業を開始できること、そして知識と人柄を鍛えていくことが喜ばれるサービスに繋がり、その過程に面白さを感じたので、税理士資格取得に向けて動き始めました。
その後証券会社を退職して、税務の知識がないままいきなり税理士事務所に30通ほど履歴書を送ってみたんです。もちろん全部不採用だったのですが、その中に心配してお手紙を下さる先生が数名いらっしゃいました。そのお手紙の中に「まずは簿記の資格を取らないと、私たちの職場では選考対象になりません」と書いてありました。簿記の学校だったらこの学校が良いよ、と教えてくださる方もいましたね。そのような税理士さんたちに一目惚れをして、ますます意欲が高まりました。
お手紙のアドバイス通り簿記の勉強を始めようと思ったのですが、簿記講師の求人を見つけ、全く簿記の勉強をしたことがないのに応募して受かったんです。そこに入社してから、社内研修で簿記2.3級の勉強を行い、次の日にはその内容を生徒たちに教える、という流れで仕事をしていました。最初の1年間は恐怖でしたね(笑)その後も9年ほど講師をしていました。その間に税理士資格取得に必要な科目に複数合格していたことや年齢も35歳になったということもあり、講師をやり続けるのではなく税理士事務所に転職することにしました。
35歳で初めて税理士業界に入って、実務がわからないのでおろおろしながら業務をしていましたし、他のスタッフよりもスタートが遅かったのでこのまま年次が上がっていくことに不安を感じていたところ、当時の所長から「医業専門にならないか」と声をかけてもらいました。当時は医業専門の事務所が増え始めた頃で、名南経営さんでも医業担当者養成基礎講座が始まったばかりの頃でした。入社半年くらいでしたが、2回目くらいの講座に私も参加させてもらったんですよ。
医業担当者として活動する中、ある日トラブルが重なってしまい、私自身とても落ち込むことがありました。そんな中、お客様に心配をかけないよう気丈に振る舞っていたのですが、そのお客様の気遣いに思わず泣いてしまう、という出来事があったんです。日頃から仲良くしてくださるお客様でもあり、あの日救っていただいた経験を機に、この仕事を通じて恩返しよう、と、仕事への向き合い方も変わっていきました。“お客様が幸せになるような寄り添い方”を心がけながら問題解決をしていくスタイルを大切にし、以降も新たなお客様からとても信頼していただけるようになりました。そんなこんなで40歳になったので、そろそろ勝負に出てみようと思って独立をしました。
スタッフもお客様もですが、若い人を育てる事務所を目指しています。また私自身一番興味があるのは、素敵なお客様とスタッフに囲まれて、組織をどこまで大きくできるのかが楽しみです。私の若い頃はバブル期で戦争もなかったですし、とても良い時代を生きてきました。そのような世の中が続くように、若い方々をバックアップできるような事務所になりたいと思っています。その一環でメディカルサポート税理士法人の業務ではありませんが、今後ある大学の非常勤講師をする予定で、既にゼミのお手伝いなどを通じて学生さんとの接点もあり、インターン生も多く受け入れています。若い人の役に立ちたいなと思って個人的にやっています。
診療報酬データベースが特に役立っています。お客様からもご好評で、うちではほぼ100%利用しています。他にも工数分析で生産性を毎月見ていますし、会計担当者養成動画では毎月視聴してほしい動画をピックアップしてみんなで視聴しています。話に上がった医業担当者養成基礎講座も対象者がいれば絶対に参加するようにしていて、受講後にアウトプットとして説明をしてもらうようにしていますし、立体的に解説するようにしています。あとは、楽しい給与計算もかなり使っていますね。フォーラムも開業当初の相談する相手がいない時期はとても助かりました。
常に変化の激しい時代なので、最新情報を知っていただけるように情報提供や経営計画の見直しなど、経営者の方と伴走していくことが税理士の仕事だと思っています。取り組んでみたいことがあるけれども先に進めない方、数字面での裏付けなどでしっかり背中を押していきます。やりたいことはやってみてください。メディカルサポート税理士法人はチャレンジする人を応援し続けます。