Q.税理士の道に進んだきっかけを教えてください。

 もともとは大学に行って普通のサラリーマンになると思っていましたが、高校二年生の頃から本格的に将来について考え、サラリーマン以外の仕事をしたいと思うようになりました。そして専門学校の一日体験で情報処理や調理関連などの様々な職業の選択肢がある中で、珠算をしていたこともあり数字関係の仕事をしたいと思い税理士を目指して専門学校へ入ったことがきっかけです。

Q.専門学校の体験が良かったのですね。たしか古川先生は調理師の免許もお持ちだったと思いますが、調理師の道も悩まれたのでしょうか?

 当時は料理の鉄人などで業界も盛り上がっていたため、たしかに調理師の道も悩みました。しかし最終的に税理士に決め、調理師免許は社会人になってから取得しました。

Q.事務所が力を入れていること、取り組みなど教えてください。

 昨今色々な事務所がある中で、需要は様々だと思います。
例えばやりとりを最小限にして、必要資料だけ送り合うという事務所もそれはそれで需要があると思うのですが、うちはその真逆です。
 毎月お会いし、本業の収支報告にプラスしてお困りごとが無いか伺い、お客様の変化に合わせて相談を受けることに力を入れております。職員の意識もそこに持っていくように取り組んでいます。
コロナの時代になってからWEB面談も増えましたが、それでもお会いする機会を頻繁に設けることで「そういえばこれ相談したかったんだよね」と言っていただくことも多いです。ですのでお互いを知る機会として直接お会いすることを非常に大事にしております。
 また、事務所の特徴として創業支援も行っています。40件/年ほど既存ご契約先からのご紹介で新規契約が増えていますがその内半分は創業からのお客様です。
 そもそもお客様の業種が飲食や医療、美容などが多く、独立する時に税理士をどうしたら良いか分からない方がほとんどです。そういった方は皆さん、周りで独立して成功している同業の先輩に話を聞きに行ったりするんですよね。
 その時に「自分が契約している先生はこんな感じだよ」とご紹介していただき、そこから弊事務所にご相談いただくケースが多いです。
 右も左も分からない状態からサポートいたしますので、お客様によっては最初から法人設立した方が良いですよ、などのアドバイスをすることもあります。このように創業支援の取り組みに力を入れていますので、必然的に新規のご契約をされるお客様は独立されたばかりの方が多いです。

Q.温かみがあって素敵ですね。定期的な面談や、お客様へのサービス提供で特に心がけていることは何でしょうか?

 まずは情報提供です。お客様からすると税務のイベントは年に一回のことばかりで忘れてしまうので、年間スケジュールにして面談のたびにお伝えするようにしております。
 また、中小企業の経営者は自分以外全員従業員という構成も多く、会社経営に関して孤独に悩んでいる方もたくさんいらっしゃいます。ですので面談の中でお一人おひとりに合わせて欲しい情報を提供するように心がけています。
 そのために、月初には職員でニュースレターの読み合わせを行い、「ここは必ずお客様にお伝えするように」という内容を共有しております。他にもお客様によって興味がありそうな内容を伝えてもらっています。「何かあった時にすぐに相談してもらえるパートナーになりなさい」と職員には常に伝えています。
 あとは長いお付き合いをしているお客様が多いこともあり、相続対策・相続税対策にも力を入れています。相続に関してはお客様ご自身に動いていただかないと始まりませんので、実際に資料を用いて「これくらいの相続税がかかります」とお見せすることも多いです。そうすると驚かれる方もいらっしゃいますよ。相続対策と相続税対策は密接に関わっています。誰に何を承継するのかイメージを持っていただいてから相続税対策のお話をするようにしていますし、相続に関しても定期的な面談の中でお客様の実態に合わせた提案をするように心がけています。

Q. MyKomonでお役立てできていることは何でしょうか?

 導入した理由でもあるのですが、ニュースレターや会計担当者養成動画など、コンテンツが役立っています。また、事務所全体の情報共有ができるところも良いです。人数が増えるとなかなか他の人と話す機会も減りますが、グループウェアを開けば誰がどこで何をやっているのか、どういう申請をしているのかの確認がしやすいです。事務所が10名未満だった時はGoogleのシステムを利用しており、自分の目も届いていたので良かったのですが、10名を超えたあたりで見切れなくなり、カレンダーをMyKomonに移行しました。
 最初は予定の登録方法など戸惑うこともありましたが、今ではMyKomonの方が登録しやすいです。
また、会計業界に特化したシステムということもあり、会計事務所の痒い所に手が届く作りになっているところが嬉しいです。
 仕事の中でデジタルにできるところはデジタルに置き換えて、お客様と直接関わる部分に関しては温かみを持って接するよう心がけて事務所を運営しています。

Q.ありがとうございます!最後に、インタビューを読んでいる経営者の方に一言お願いします。

 中小企業の経営者の方で、一人で経営について悩んでいらっしゃるのであれば、是非顧問税理士に相談をしてみてください。自社について考えることが一番だとは思いますが、自社以外の部分に目を向けることも大事ですし、中小企業の担当をしている税理士であれば参考になる情報をたくさん持っているはずです。
 税理士事務所の担当者と定期的に会う機会があるのであれば、数字面以外の相談をしても良いんだよ、ということを認識いただければ幸いです。
 税理士事務所から提供された情報を参考にすることによって、柔軟な考え方も身に付き、良い回答にたどり着けるかもしれません。