Q.税理士を志したきっかけを教えてください 

 明確なきっかけがあったわけではありませんが、父が税理士事務所を経営していたことが大きな影響でした。大学1年の夏頃、父から専門学校に通って簿記を学ぶことを勧められました。3級・2級に合格し、自分には簿記が合っていると感じたため、大学2年の夏から税理士講座を受講しました。 
 最初は税理士の仕事について詳しく知らず、試験の内容もよく分からないまま始めましたが、2科目に合格したときに「自分にもなれるかもしれない」と思えるようになり、本格的に税理士を目指すようになりました。 

Q.現在、税理士としてのやりがいを感じる瞬間について教えてください 

 父の代から続くお客様との関係を引き継ぎ、信頼されていると実感できるときにやりがいを感じます。経営だけでなくプライベートに関する相談を受けることも多く、感謝の言葉や「助かったよ」「良かったよ」と言っていただける瞬間が、特に嬉しいですね。

Q.お父様から事務所を引き継がれたとのことですが、梅田先生が現在心掛けていることはありますか

 引き継いだ当初は、お客様との会話を重視し、雑談から業務の話まで幅広く話せるような信頼関係の構築を心掛けました。私より年上のお客様が多いため、「教える」というよりも「寄り添う」姿勢を大切にしています。 

Q.お客様との会話を重視されているとのことですが、事務所として現在力を入れている取り組みについて教えてください

 近年はテクノロジーの進化が著しく、記帳代行の作業時間がAIによって大幅に短縮されると考えています。ただ、それによって仕事がなくなるのではなく、むしろポジティブに捉え、その時間をお客様とのコミュニケーションや付加価値のあるサービスに充てたいと思っています。 
 現在の取り組みとしては、全従業員にAIのアカウントを配布し、活用を促しています。調べ物だけでなく、紙の資料をCSVに変換する作業などにも活用しています。 
 また、業務の標準化にも力を入れており、マニュアルを作成して、個別に行っていた作業を誰でも対応できる体制を整えています。そのうえで、従業員それぞれの得意分野を伸ばしていく方向性を考えています。 
 さらに、クラウド会計への移行も進めており、従業員同士で使い方を教え合う文化も育まれています。 
 そのためには、外部からの情報収集も欠かせません。私自身も常に学び続ける姿勢を持ち、従業員にもその姿勢を共有していきたいと考えています。 

Q. 今後のビジョンや中長期的な展望について教えてください 

 最終的には、お客様とどのような関係性を築いていくかが重要だと考えています。税務やお金に関することだけでなく、人間関係や経営方針など、より抽象的なテーマについても提案や助言ができる存在になりたいと思っています。

 Q.AIなどを活用して業務効率化を進めている中で、MyKomonは事務所にとってどのように役立っていますか 

 先ほどお話ししたお客様ごとのマニュアルは、電子会議室を活用して従業員に作成してもらっています。他の従業員にも見てもらうことで、内容のブラッシュアップができる環境を整えています。 
 また、新人教育のために会計担当者養成動画やスケジュール機能を活用し、お客様ごとの状況把握にも役立てています。 

Q. 最後に、経営者の方々へメッセージをお願いします 

 私はお客様と話すことが好きで、面白い方が多く、毎回のやり取りが私自身の楽しみにもなっています。そんな素敵な方々との関係性を築くことが、私の生きがいでもあります。 
 税務や会計の話に限らず、経営や人間関係など、幅広いテーマで気軽にご相談いただければと思います。