Q:税理士を目指したきっかけを教えて下さい。

 実は最初から明確に税理士を目指していたわけではないんです。転職を考えているときに簿記の勉強をした結果、簿記一級に一発合格したんです。せっかく一級を取得したのであれば簿記の知識を活かせる仕事も良いかもしれないと思い、会計事務所に就職したのが始まりでした。
 会計事務所に就職して担当先を持ち経営者の方とお会いすると、先方はこちらを税金のプロとして認識し、『税務を深く知っている前提』でお話をしてくださるので、より深い知識が必要になると日々実感するようになり、税理士の資格取得を目指すことになりました。
 その後、九州大学ビジネススクールに通う機会を持って、経営について勉強したことにより、自分自身も経営者の立場に立つことで、より経営者の視点に寄り添えると思ったことが事務所を立ち上げる一つのきっかけになったと思います。
 何か劇的な出来事があったわけではありませんが、一つずつ階段を上ってきた結果、今に至っていますね。

Q:着実に努力を重ねられた結果、今の川原先生があるのですね。
  それでは、川原先生が事務所名に込められた想いを教えて下さい。

 「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ」という、論語から着想して名前を付けました。
 人間の理想像である知者を、自在に形を変えることができる『水』に、また、仁者をどっしりとして落ち着いて安定した『山』に例えた言葉です。二つの側面を同時に実現している理想的な境地を目指して努力し続けていきたい、という願いを込めて「さんすい」と名付けました。
 今は大きな変化が起きている時代ですが、守るべき経営者としての倫理観を大事にしながら、少しずつしかし着実に変化していきたいと思っています。

Q:積み重ねることにより変化に至るという点が、川原先生ご自身の経歴と重なりますね。
  それでは、事務所の強みや特徴はどういった所だとお考えですか?

 2011年に私が立ち上げた個人事務所をベースに、九州大学ビジネススクールで同期であった公認会計士の中道と起ち上げたのが、さんすいパートナーズ税理士法人です。
 二人とも在学中は企業の経営について多角的な視点から学んでいました。どちらもMBAホルダーですので、経営者により近い目線に立ち、税理士・公認会計士という仕事からもう一歩踏み込んだ経営アドバイスができると考えています。
MBA…経営学修士を示すMaster of Business Administrationの略称。経営学を修めたものに対して授与される学位。

Q:いま力を入れている取組みや、将来目指す事務所像があれば教えて下さい。

 会計データを経営判断に役立つ『活きたもの』にしていくことを前提に月次を行っています。そのため中小企業においても管理会計に力を入れています。店舗ごと、事業ごとなど、経営の意思決定には欠かせないセグメント管理を必要に応じて導入していっています。申告だけであればあまり必要とされない情報ですが、企業を継続・発展させていくためには非常に重要なものだと考えています。
 さらに経営計画とリンクさせることにより、将来のキャッシュフローを予測していきます。実際に提供した顧問先からは喜んでいただいており、経営者の意思決定とその検証に対してデータが有効に活用されていると感じます。
 今後は税務の部門のさらなる充実を図るとともに、会計をベースに他士業との多彩なネットワークを構築し、顧問先の皆様の様々なニーズと期待に応えていきたいと考えています。また、福岡に拠点があることを強みとした会計事務所のニューモデルもこれから構想していく予定です。

Q:経営者の方々の役に立ちたいという、先生の真摯な思いを強く感じました。
  事務所運営をしていく中で、MyKomonがお役に立てていることはありますか?

 テレワークなども取り入れて多様な働き方の職員が混在してきた一方、一体感をどうやって出していくかが課題となっていました。そんな中でMyKomonのスケジュールや進捗管理を導入することで、全員で情報共有を進めていくにあたり大変役立ちました。
 また、在宅勤務者が増えていった際に、日報や業務報告書を使った報告の仕組みができていたことで状況の把握ができ、代表者としてはとても助かりました。

Q:お役に立てていたようでとても嬉しいです!これからもしっかりサポートさせていただきます。
  それでは、最後にご覧になっている経営者の皆様へ一言お願いいたします。

 気候変動や新型コロナ感染症などの影響で、世の中の変化のスピードが一気に加速しています。現状を不安に感じていて、今の事業を客観的に見つめなおしてみたいと考えている経営者の皆様、反対に変化をチャンスと考えていて新事業にチャレンジしていきたいと考えている経営者の皆様、どのような状況下においても経営者のプレッシャーは多大なものですが、変化の時代に私たち会計のプロが力強く伴走させていただきたいと思っております。