Q.会計士であり税理士である清水先生ですが、この道を目指したきっかけはどのようなものでしたか?

 高校卒業後に、税理士であった父から会計士になることを勧められたのがきっかけです。バブル世代で一般企業に就職する人が多い中、資格を活かして他の人とは違う仕事をすることに私としても興味を持ちました。大学に通いながらの試験勉強で苦労もありましたが、大学在学中に無事合格し、卒業後は大手監査法人に勤めました。

Q.その後の開業までの経緯も教えてください。

 監査法人には約6年間勤め、30歳の時に独立しました。監査の仕事もやりがいのあるものでしたが、もっと経営者の力になる仕事がしたいと考えていました。まずは自分の力でやってみたいと思い、父の事務所には入所せず独立の道を選びました。幸い、人との縁には恵まれておりお客様は順調に増えたのですが、税務の仕事に慣れてなかったため最初は苦労しましたね。ネットもあまり発達していない時代だったため、本を読んで必死に勉強をしていたのが思い出されます。
 そして独立から8年後の2008年に父の事務所と合流し、現在の場所に事務所を構えました。

Q.その後も順調だったのでしょうか?

 実は、父の事務所との合流後は苦労を経験しました。それまで一人で気ままにやっていたため、ちゃんとした経営を学んだことがなく、企業経営のスキルがありませんでした。その結果、社員と上手く信頼関係が築けず、入退社が続きました…。
 どう改善したらいいのかわからず、とても悩みましたね。神社で神頼みをしたりもしましたが…(笑)そこからは経営塾に通ったり、経営についての本を読んだり、企業経営について真剣に考え、様々な取り組みをスタートしました。

Q.そんな過去もあったのですね。具体的にはどのような取り組みをされたのですか?

 まずは事務所の経営ビジョンと経営理念を定めました。さらに経営計画書を作成し社員全員に配布することで、事務所の目指す方向性を明確に示すようにしました。そこから、ビジョンや理念に共感してくれる社員が定着し始め、全員が同じ方向を向いて仕事ができる組織になっていったと思います。この時期に導入したウェルカムボードや、毎朝全員での挨拶・掃除は、今なお継続して取り組んでいます。

【経営ビジョン】
会計を通してすべての人の幸せを追求する
【経営理念】
―、全社員を育て、守ること
二、中小企業経営者を育て、企業の成長と安定に貢献すること

 また、「経営者は社員第一主義、社員はお客様第一主義」という考え方に共感し、私自身は社員にとって働きやすい環境を作ることに力を入れました。リフレッシュ休暇の導入や、今はできていませんが社員旅行を行っていた時期もありました。

Q.そんな清水先生が、お客様と接するうえで心がけていることはありますか?

 できるだけ聞き役に徹することと笑顔です。日々お客様からたくさんの相談をいただきますが、答えはいつもお客様の中にあると思っています。ですから笑顔で相手が話しやすい雰囲気を作り、じっくり話を聞くことを心がけています。
 また先ほど述べた経営ビジョンに「会計を通してすべての人の幸せを追求する」とありましたが、「幸せ」の価値観は人それぞれですから、経営ビジョンの実現のためにも話を聞くことは大切であると考えています。
 そんな考えもあり、私の座右の銘は「いつも笑顔で応えよう」です。デスクに付箋を貼っていて、いつも意識しているんです。

Q.事務所として力を入れているサービスを教えていただけますか?

 月次決算書の作成サービスです。変動損益計算書を「未来会計図」と名付け、毎月提供しています。それを元に、利益を生むためにはどこに手を打つのがよいかを、お客様と一緒に考えています。これは10年前ほど前から変わらず力を入れている取り組みです。


 また今後は、株価対策にも力を入れていきたいと考えています。高齢化の波と、父の代からのお付き合いも多くあることから、近ごろは相続や贈与・事業承継の相談が特に増えてきました。一方で、起業される若い経営者からも多くの相談が寄せられています。そんな中で最近は、将来の事業承継まで見据えた経営をすることの重要性をより強く感じています。ですから、「起業した時から、将来円満に事業承継をするためにはどうすればいいか」を具体化したサービスを提供していけたらと考えています。

Q.今後の事務所の展望や、先生の目標などはありますか?

 これまで当事務所では、知人や知人の紹介を中心にお客様が広がってきました。その経験から私は、お客様のニーズに真摯に応えていけば自然とお客様は広がっていく、つまり「日々の業務が最強の営業になる」という考えで仕事をしています。その姿勢は今後も変わりません。
 一方で、時代の変化には柔軟に対応していきたいと考えております。まずはこの業界でもますます進むであろうDX化への対応のため、人財は今の社員を中心に活躍してもらいながら、AI活用なども進めていきたいと考えています。
 また、経営ビジョンである「会計を通してすべての人の幸せを追求する」の実現のためには、まだまだ事務所からの情報発信が足りていないと感じています。「すべての人」には、お客様だけでなく、「世の中のすべての人」という思いが込められているためです。ですから、今後はSNSやYouTubeを使ってすべての人に役に立つ情報を発信していく取り組みもやっていきます!

Q.そんな事務所運営に、MyKomonがお役に立てている点があれば教えてください。

 グループウェアの活用で仕事内容の見える化、所内での情報共有ができるようになりました。社員のスキルアップのための研修ツールとして会計担当者養成動画、お客様への情報提供ツールとしてニュースレターも重宝しています。

Q.最後にご覧になっている経営者にひとことお願いします。

 今回お話しした内容は税理士法人清水会計の取り組みのほんの一部です。もっと内容をお知りになりたい方、経営ビジョンや経営理念にご興味を持たれた方は、ぜひ当事務所へお問い合わせください。