Q.はじめに、税理士を志したきっかけを教えてください。

 保険会社の営業をしていた時期に、お客様から税金の相談を受けることがありました。ところが、その時に“うまく答えられない”場面があったんです。
「じゃあ、そういう相談に上手く答えられるのは、結局どんな資格なんだろう?」と考えて探していったら、税理士にたどり着きました。
 会計事務所に転職してからも、最初は「税理士になりたいから入社した」というより、「興味があって、なれたらいいな」という気持ちが近かったですね。
 でも1年ほど経った頃、奥様から「資格を目指してみたら?」と背中を押していただき、そこから本気になっていきました。

Q.勉強や資格取得までの道のりで、印象に残っていることはありますか。

 まず、正直に言うと順調ではなかったです。
 退職してから税理士の勉強を始めて、約2年間は一科目も合格できませんでした。「こんなに勉強したのに取れないのか」と悩んだ時期もあります。
 それでも3年目で「一科目も取れなかったら、諦める覚悟で」と決めて、規模の小さな会計事務所で働きながら勉強をしました。生活を変えるような覚悟を持って、朝5時起き、通勤時間は通信講座で学習、昼休みも15分勉強。土日は図書館で学習する生活を続けたんです。
 その結果、3年目に簿記論・財務諸表論に合格し、その後4年かけて消費税法に合格しました。
 消費税の受験では、いろいろあって直前3か月はほとんど勉強できず、申し込みも締切ギリギリだったので、余計に合格の重みがありました。

Q.独立までの歩み、また事務所として大切にしている価値観を教えてください。

 資格を取って終わりではなく、「事務所としてどう形にするか」が本当に大事だと感じています。私が一番大切にしているのは、スタッフが気持ちよく働けることです。
 そのために、日報でのやり取りを続けながら、TOC理論※1の考えを取り入れた仕組みづくりに取り組んできました。目標は、属人的にならず、全員が働き易い状態をつくることです。
 そして経営者のお客様とも「お互いが信頼できる関係」を目指しています。目先の売上だけを追うのではなく、関与した会社と人が良くになるようにサポートしたいんです。

※1  TOC理論とは、仕事や業務の流れの中にある「つまずきやすいポイント」に目を向け、そこを改善することで、全体をよりスムーズにしていく考え方です。

Q.先生の事務所の強みはどこにあると思いますか。

 強みは大きく3つあります。
 1つ目は、『クラウドに強いこと』です。共有フォルダの運用を中心に、紙とデータの両方を“見える形”にしながら進めています。電子帳簿保存にも対応しています。
 2つ目は、『担当者が意思決定のサポートができること』です。会計事務所は担当者の存在が見えにくくなりがちなので、「相談したいことがすぐ伝わる状態」をつくりたいと思っています。
 3つ目は、『提出の速度が速いこと』です。スピードは信頼につながりますし、結果的にスタッフの負荷を下げることにもなります。だから「安心して仕事が進む状態」を守れます。
 また、私自身が一番やりがいを感じるのは、決算が終わったあとに「ありがとう」やお褒めの言葉をいただけたり、財務状況が改善したと実感できたりした瞬間です。必要なときはきちんと線引きもしますが、そこが伝わって“安心して任せられる”関係になっていると嬉しくなります。書面添付制度を進めていることも含めて、信頼が積み重なっていると感じています。

Q.MyKomonを導入して特に“役に立ったこと”があれば教えてください。

 一番衝撃だったのは 共有フォルダですね。業務の流れが変わった感覚があります。電子帳簿保存にも対応している点も大きいです。
 その結果、2024年の確定申告では、ベテラン3人の労働時間が合計で70時間減になりました。可視化されている実感があり、数字にも表れてきたと感じています。
 次に効いているのが、カレンダーです。導入後、事務所内の業務が可視化できて、「次に何が動くか」が把握しやすくなりました。
 職員が私に「やってほしいこと」をToDoで飛ばせるのも助かっています。その逆も然りです。LINEだと忘れちゃうこともありますが、MyKomonだと記録が残って情報共有が大幅に改善されました。
 日報も毎日書いています。所感も書くことができる、私が毎日コメントできる体制ができました。週末は振り返りと来週の予定を書くので、スタッフとのコミュニケーションが増えたと感じます。
 また、レコーダー/AI報告書も、ほんとに使ってよかったです。話したことが文字になって振り返れるので、提案方法を考えることにもつながります。
 今後は、さらに 工数管理も進めていきたいですね。縛るためではなく、伸ばすべき部分を可視化していくためです。

Q.最後に、経営者の皆様へのメッセージをお願いします。

 税理士事務所は企業にとってのパートナーです。だからこそ、経営の情報を提供するだけでなく、信頼できる相手かが大切だと思います。
 自身の経営にとって安心できるパートナーと付き合うことが、結果的にいちばん良い形につながるはずです。
 私としても、みんなが幸せになれるような関係性を築ける事務所を目指していきます。ぜひ、気軽に相談してください。