Q.税理士になったきっかけを教えてください。

私の少し上の世代から男女雇用機会均等法が始まりましたが、私が就職を考える頃はまだまだ世間の風潮として女性は家庭に入ることが自然とされていた時期でした。しかし、もともと両親共に薬剤師をしており、母が資格を持ちながら働く姿をずっと見てきた影響で、自分自身も何等か資格を取得して手に職を持ち、ずっと続けていきたいという考えを持っていました。いくつかの資格を検討していた中で税理士という資格を選択しましたが、税務や財務分析などを通じて、比較的近い距離感で企業のサポートができるため、税理士になって良かったと思っています。
また、あらゆる資格がそうであるように、税理士も資格を取得すればゴールではなく、毎年の税制改正に各種マーケット情報、ケースによっては他の専門家との連携など、お客様への情報提供のために、常に勉強を続けることが必要な仕事だと感じています。

Q.税理士の役割はどういったものだと思いますか?

税理士の役割は様々ありますが、『経営者の方に税制などの本質をかみ砕いて伝えること』が大切な役割の一つだと考えています。
いまは昔と違い、経営者の方がインターネットで調べれば沢山の情報を得ることができます。その一方、情報が多すぎることで、『どの情報が正しいのか』『自分に適した情報は何なのか』ということを判断することが難しい面もあります。それこそ、インボイスや電子帳簿保存法に関する情報もインターネット上に多数出ていますが、その情報を理解するためには前提知識が必要となることが多く、『結局大事なポイントが何なのか』『自分の経営にどう影響するのか』がよく分からなかったという経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。加えて、ほとんどの経営者の方は本業に専念していきたいと思いますので、税務会計に関するサポート部分を担う役割として、経営に必要となる情報の本質を分かりやすく、かつ、後手に回らないように提供し、事業を長く続けていくためのご支援をしていくことが大切だと考えています。こうしたご支援を行ったことで、お客様に喜んでいただけた時がとてもやりがいを感じる瞬間です。

Q.経営者の方をご支援する上で意識していることはありますか?

経営者の方は責任とリスクを負っている立場です。そうした方が様々な経営の悩みを相談できるのが税理士ではありますが、『断定的な経営判断までは踏み込まない』ということは常に意識しています。あくまでも私たちはサポート役であり黒子であり、経営代行業ではありません。大凡の経営者はご自身で、戦略に基づく一定の答えをお持ちです。しかし、判断に確証が欲しい時、全く違った観点から第三者的意見(特に若い世代の率直な感想!)を求めたい時もあります。税務や財務情報を主とした多くの判断材料の提供はもちろんのこと、事務所内で蓄積した経験値や、世代の幅が広いスタッフ間同志の意見交換等を活かし、優先順位の整理をサポートし、経営者の背中を押す存在に徹したいと考えています。

Q.嬉野・本村税理士法人の特徴はありますか?

42年の歴史がある事務所で、業種に偏りが無く、経営者の方に事務所がこれまで携わってきた様々な事例をご提供できる経験値を備えていることが特徴の一つだと考えています。「他のところはどうしているのか?」というような事柄についても、幅広い視点での情報提供できる体制が整っています。
税務調査についても、事務所の財産として昭和50年代のころから報告書を蓄積していますが、こうした過去のデータに加えて、税務行政に関する最新の情報収集を行い、様々な変化へ対応しています。
また、『顔が見えるお付き合い』という点も心がけています。定量分析は試算表や決算書などの数字で行えますが、定性分析はやはり訪問して企業の現状に目配りをすることが必要だと考えています。数字だけではわからない情報を得ることで、経営者の方が今後をどういう風に考えているかについて、実感を深めることができます。
担当者は、言わばプチ・ファンドマネジャーのような存在でしょうか。私自身が、現場主義者で、個人的に30年近く株式や投資信託など資産運用を趣味としておりますため、幅広くアンテナを張る習性のようなものが染みついているのかもしれません。

Q.今後の事務所運営で考えられていることはありますか?

実は私自身が4年前に事務所を従業員代表として事業承継し、昨年は親の相続や死後事務も体験しました。同じように顧問先も相続・事業承継に直面した場合も、長年の顔の見えるお付き合いがあることで、安心して任せていただける機会が増えてきました。自らの経験を活かした対応ができますので、「こういう風に承継できてよかった」と思っていただけるようなご支援に努めています。加えて、新しい後継者と同じ世代にあたる若手の職員が次代の担い手としてより成長できるように、私自身の経験談や事例は惜しまずスタッフに伝えています。また、共有された情報をいかにお客様へ活かしていくのかという点が大切ですので、経営者のサポート役として、経営者の方と同じ視点・行動指針で考えていくように意識してもらっています。
また、ペーパーレス化やクラウドの活用など、若い世代では当たり前になっていることに抵抗なくランディングしていくことも大切だと考えています。これから先は現時点では想像し得ないような変化が起こる時代だと思いますが、過剰に臆することなく、変化することを恐れずに事務所運営を努めていきたいと考えています。

Q.MyKomonでお役に立てていることはありますか?

お客様への情報提供では、MyKomonのニュースレターを活用しています。同じ情報提供ではお客様も飽きてしまいますが、MyKomonのニュースレターは特別号などタイムリーな情報を提供してくれるので、旬な情報をすぐに提供でき、助かっています。また、職員が提出してくれている日報や業務報告書は常に目を通して、お客様に提供できる情報・事例の共有も行いながら、担当者一人だけで考えるのではなく、事務所としてお客様のサポートが行える体制になっています。
個人的には集約ボードが気に入っています。MyKomonで登録されたお客様にかかわる様々な情報が一か所に集約されるので、訪問頻度やこれまでの面談内容をいつでも確認することができ、電子カルテのような使い方ができる点が魅力的です。これまで紙で管理していた税務調査の報告書もすべてスキャンして、顧客情報として添付・蓄積しています。

Q.ありがとうございます。お役に立てているようで安心しました!最後に、経営者の方へ一言お願いします。

会社の経営力を高める、存在価値を高められるサポートを目指し、顔が見えるお付き合いを心がけています。
事務所としてお会いしてお話しする『顔が見えるお付き合い』を行っていますので、お気軽にお声かけいただければと思います。