最初のきっかけは自分の人生の中で何かをやり遂げてみたかったという思いです。
税理士になる前はIT企業でシステムエンジニアをしていました。それなりにやりがいもあって楽しい日々を過ごしていたのですが、ふとこのまま老いていくのが嫌だなと感じました。何かに挑戦して自分で自分の道を切り開いていく、自分で自分の人生を決めるような選択をして実行・実現していきたいと感じたタイミングでした。それが丁度結婚してすぐの時期のことです。
夫もIT企業でシステムエンジニアをしていたので、わざわざ同じことをやる必要もないのかなと思い、新しく今から職業を決めてもいいなと思いました。これからやりたいことを見つけよう、やりたいことを職業にしようと思い、『13歳のハローワーク』を読んで自分がなりたい職業を探しました。いろんな固定観念を取り払って考えた結果たどり着いたのが税理士でした。
税理士って聞いたことはあるけど、何をやっている人かがよくわからなくて、それでまずは資格の専門学校に行きました。最初は公認会計士と税理士の違いもよくわからなかったので、公認会計士講座の説明を聞きました。そうしたら講師の方に、「結婚をされているのであれば税理士の方がオススメですよ。科目合格制なので妊娠・出産を挟んでも続けられるし、勉強を続ければ最後にはきっと税理士になれますよ。」と言われました。
そこからは勉強一色です。資格の専門学校に行って、大学院にも通いながら、税理士事務所でも働いて実務経験を積むという生活です。当時の所長もそのスタイルを気前よくOKしてくれました。
平日は大学院と仕事。土曜日は資格の専門学校。日曜日は自習。と、かなりストイックな日々でしたが、不思議ときつくありませんでした。税理士になれると信じて疑いませんでしたし、もし今年落ちても次の年絶対受かると勝手に思っていました。ですから一度もやめようと思ったことがありません。
資格を取るまでずっとその生活を続けました。仕事もしながらだったので、勉強している内容と仕事がつながっていたのもモチベーションを保つ要因になったと思います。大学院の友達もみんなそんな感じだったので、部活みたいな感覚で続けられました。
大学院2年生の修士論文が終わった頃に一人目の子供を産んで、その次の年にもう一人。卒業の年に丁度試験も受かっていて、時短で働きながら子供が大きくなったタイミングで税理士登録。タイミングもよかったと思います。
もともとIT企業でシステムエンジニアをしていましたので、やっぱりIT部門が強みと言いたいところですね。クラウド会計の導入だったり、お客様が今までノートに書いていたものをExcelに入力するだけできれいなデータになるようなプログラムを組んであげたり、そういった効率化を提供することができます。
また、お客様から面談時に伺ったお困りごとに対して「このツールを導入することで改善できるのではないですか」といった提案もできます。たくさんあるツールの中からお客様が間違わないように一緒に選んであげられる。こういったDX支援的なことができるのは一つの強みです。
もう一つはお客様をサポートするためのネットワークです。実は妹が社労士で、労務関係のお困りごとに対して適切なアドバイスが得られます。また、歯科関係のネットワークも強力です。開業コンサルの方や周辺業者の方、資産運用まで一括でサポートできる専門家チームと協働しています。
こうして内部・外部ともにサポートできるというのは事務所として大きな強みですね。
具体的に目標にしている方がいます。Twitterで「旅好き税理士」という名前で活動していらっしゃる方です。歯科医院特化で旅行好きな先生で、顧問先への訪問も旅行のように楽しんでいらっしゃいます。
私も歯科には力を入れていますし、旅行好きなのでそんなライフスタイルに憧れます。もちろん確定申告期など、大変な時期もありますので、ずっと楽しくは難しいかもしれませんが、毎月の訪問、毎月のZoom面談でお客様と話すのを楽しめるような事務所にできればいいかなと思います。
相続の試算には力を入れたいと思っています。経営者さんに相続はつきものだと思いますが、常日頃からそれを意識できている方は非常に少ないと感じます。
いざというときに何の備えもない状態だと正しい判断もできなくなってしまう。そうならないよう、余裕のあるうちに相続のシミュレーションをしたうえで、今後どんなリスクがあるかなどをお伝えして、相続が来る前にいろいろと対策を提案できるようにしていきたいです。
相続に強い職員もいるので、今後強みにしていきたい分野ですね。
お客様の情報を全部入れてしまったので、もうこれがないと困る状態です(笑)。一番役に立っているのは消費税の中間納付などの管理表ですね。そこを見ればお客様の状況がほぼわかるようになっています。
あとはスケジュール管理。外出先からでも所内共通のカレンダーに予定を入れて職員と共有しています。
また、楽しい給与計算も使いやすいです。今まではなぜかなかなかうまくいかなくて、毎回社労士の妹に確認してもらって、違うところを訂正してもらうという作業をしていましたが、楽しい給与計算にしてからは簡単に計算できるので、本当に楽になりました。
ニュースレターも訪問するたびにお客様にお渡しして情報提供に使っています。
今後使いたいのは先ほどの話でも出たように相続財産シミュレーション。また、診療報酬データベースを使ってお客様に他の医院との比較情報も提供できるようにしていきたいです。
私は職業会計人として地域の方々をお助けできるような存在になりたいと思っています。今までの経験、強みを生かして自分の周りの方々をお助けできるように頑張ります。今回はインタビューをご覧いただきありがとうございました。