私が税理士となった経緯をご紹介したいと思います。
高校時代に『もしドラ』(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)を読んだことがきっかけで経営学に興味を持つようになりました。
その後の大学は経営学部に進学し、経営戦略・マーケティング・財務会計などを学び、大学2年次に運命の?会計学と出会う。
会計学のゼミに所属していましたが、なんと会計学の基礎である簿記の資格は持っていませんでした。
就職活動では会計学を生かした仕事&自分のサポートがダイレクトに伝わる対中小企業の仕事がしたいと考え、東日本銀行という東京の地銀へ就職することに。このときもまだ簿記の資格は持っていませんでした。
大学3年生で内定が出たあと、東日本銀行の人事部採用担当の方から、「銀行員になるんだったら簿記の資格はとっておいたほうがいいよ」と言われ、TAC(資格の専門学校)で簿記を勉強し始めました。
この時運よく、大学の大講堂でTACの特別出張講座が開かれていたので、それに申し込んだのです。
簿記を勉強し始めると、「商品を売った・買った」などの経済取引が仕訳となり、それが集計されて決算書となっていくシステムに感動。また、性に合っていたのか半年後には無事に簿記2級に合格(3級は満点、2級は1問ミスでした)。
簿記2級の試験からの帰り道、簿記の勉強も終わりでさみしいなぁなんて思っていたところ、TACの営業の方が簿記試験会場前で資格試験のパンフレットを配っていました。
それで何気なく受け取ったパンフレットの中に税理士の紹介ページもあり、おもしろそう!と思ったのが税理士資格との出会いでした。
簿記2級とは違い一筋縄ではいかない試験でしたが、紆余曲折あり、現在はこうして税理士として仕事をしています。
簿記や税金が好きで、それを専門として中小企業の方々の力になることができて、天職だなぁと幸せに感じています。
税理士資格の魅力はなんといっても専門性の高さと、独立開業に向いている資格であるということではないでしょうか。
独立開業をするということは、自分の知識や経験をサービスとして、お客様にダイレクトに提供できるということです。会社(や税理士事務所)に勤務している場合、会社の方針に沿って仕事しなくてはいけませんよね。一方で、「もっとこうしたらお客様に喜ばれると思うのに・・・」という自分の意思を実現できるのが、独立開業です。もともと創意工夫が好きなタイプなので、より良い方法があると思えば試したくなる性格だったというのもあります。
意識したのはカタカナをいれることです。税理士事務所といえば、氏名+税理士事務所という名称が多いと思いますが、なんとなく堅苦しく・ITツールをつかえそうにない印象を持たれてしまうのではないかと感じました。
そこで、もっと気軽に相談できて色々なITツールを提案することで、中小企業に業務を効率的に行っていただけるような支援をしたいので、この事務所名にしました。
大きく2点あり、①わかりやすい説明と、②効率化です。
もともと税務会計というのはなじみがない方にとっては分かりにくいものだと思います。お客様にとってわかりやすい説明をすることが、お客様にとって役に立つ価値だと考えています。
もう一つの効率化については、業務は定型化して無駄を省略してシンプルにするということです。成果物の生成プロセスに時間がかかっていること自体に価値があるのではなく、成果物がお客様にとって必要なものであれば十分な価値があるのだと考えています。そのため、同じ成果物になるのであれば、その生成プロセスはできるだけシンプルにして時間をかけないほうがいいですよね。そして、時間を効率よく使えば、たくさんの人に満足するサービスを提供できます。
生産性分析が一番重宝しています。効率化を目指したり無駄を見つけたりするためには、現在の時間の使い方の可視化が重要だと思います。結果としてお客様に使える時間が増えやすことができて、重宝しています。
税理士業はお客様から感謝されながら報酬もいただけるとっても恵まれた職業である、と先輩の所長税理士から聞いたことがあります。勤務税理士時代にそれを聞いたときは、「その通りだよなあ」と思っていましたが、所長税理士となったいまは、その言葉が身に染みて理解できます。税理士は、その中でも特に開業税理士は、お客様のお役に立ちながら、税理士自身の自己実現もできる素晴らしい職業だと感じています。なのでこのコラムを通じて、社長や事業主の方のお役に立てる機会のきっかけとなったらとても嬉しく思います。