Q.まずは佐原先生のことを教えて下さい。
税理士を目指したきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

実は税理士を志したのは30歳の頃です。もともと理科系で、子供の時からエンジニアになるのが目標でしたので、大学卒業後はメーカーの研究職に就きました。毎日作業服を着て実験をして、論文を書いて発表をして…ということをやっていたんです。そこで3年半ほど働いたのですが、結婚を機に退職をしました。
その後は、結婚生活を満喫…かと思いきや、なんと出産を経て離婚してしまいました。それが30歳の時です。子供を育てていかなければいけませんので、仕事を探しましたが、何の資格もない0歳児を抱えたシングルマザーにとって、職探しは簡単なことではありませんでした。そんな私を採用してくれたのが税理士事務所だったんです。これが、私がこの業界に足を踏み入れたきっかけです。

Q.そのようなきっかけだったのですね。
その後の開業までの経緯も教えて下さい。

税理士事務所で働き始めたことをきっかけに、子供を育てていく為にも、税理士を目指すことを決めました。シングルマザーだったので、後ろ指をさされないようにしなければ…という気持ちもあったと思います。子育てと仕事を両立しながら、専門学校に通い勉強をしました。いつ寝ていつ起きたかも記憶にないような日々でしたが、当時担当していたお客様が、「頑張りや!」と応援してくれていたことは印象的です。辛いことや苦労もたくさんありましたが、無事37歳の時に税理士試験に合格し、開業に至りました。

 

Q.開業してからはいかがでしたか?

開業時はお客様が3件くらいからのスタートでしたので、やはり厳しかったです。とにかくお客様を増やさなければ…と、飛び込み営業をして名刺を配り歩いたりもしました。そんな活動の甲斐もあってか、「頑張っている税理士がいる」と地元の金融機関やお客様からの紹介が増え、翌年には食べていける程度には軌道に乗りました。とくに、スタート時からのお客様がたくさん紹介をしてくれたのが、とてもありがたかったです。

 

Q.様々な経験を経て、今の佐原先生がいるのですね。
そんな佐原先生が、お客様と接する上で気を付けてることはありますか?

目線を合わせて会話をすることです。当たり前ですが、お客様は税務の専門家ではありません。興味のあるポイントも、持っている知識もお客様によって様々です。ですので常に、「このお客様はどこに興味があるのか?」「何を知りたいのか?」「本音は何を求めているのか?」と考えを巡らせながら、目線を合わせた会話をすることを心掛けています。そうすることで、言いづらい本音だったり、上手く言葉にできない心の内を拾い上げてあげることもできますし、話を円滑に進めることにも繋がりますので、とても大切なことだと考えています。

 

Q.それでは、現在の事務所の事を教えて下さい。
いつも雰囲気の良い事務所だなと感じています。佐原先生の目にはどのように映りますか?

本当にありがたいことに、人には恵まれていると思います。お客様からも「説明が分かりやすい、寄り添って貰ってありがたい」と職員へのお褒めの言葉をもらうことも多いです。
また、所内では情報共有、助け合いを徹底していますので、雰囲気の良さにはそういう所も関係しているかもしれません。「誰かが見つけたすごい事をみんなで共有する」。属人化とは対極の感覚を持っている人たちの集まりだと思います。

 

Q.事務所の強みや特徴はどんなところですか?

情報提供には力を入れています。どんな情報であっても、どこよりも早く、会計事務所から一番初めにお伝えすることを意識し、チャットワークなども活用したタイムリーな情報提供を行っています。
情報提供の一環としては、事務所便りの提供もしており、創業時から私が毎月書いた税務や法律などの最新情報をお届けしています。創刊号から保存しているというお客様もあり、届くのを心待ちにしていると言っていただくと、続けてきてよかったなと思います。また最近ですと、インボイス制度開始に向けたセミナーも開催しています。
激動する時代の中で、お客様に変化に対応していってほしいという思いから、このような取り組みに力を入れています。

Q.そんな事務所の運営において、MyKomonがお役に立てている点はありますか?

MyKomonでは手間をかけずに工数の集計ができますので、その点が一番の利用目的です。最近では、MyKomonで集計した工数データをもとに、料金表の見直しを行いました。根拠となるデータに基づいて見直しを行い、より適正なサービスを適正な料金で提供できる体制になったと考えています。さらに、請求や顧客管理、フォーラムへのご相談、給与計算や相続のニュースレター作成など様々に活用させていただいており、MyKomon無しでの事務所運営は考えられないです。

 

Q.嬉しいお言葉をありがとうございます!
それでは、今後の事務所の展望についてお聞かせください。
力を入れていきたい取り組みはありますか?

税理士の基本業務である会計・税務の部分は、当然ながら信頼していただける仕事を継続していきますが、試算表や決算といった事後のご報告ではなく、業績予想や資金繰り予想など未来へ向けた数字のお話に力を入れていきたいと思っています。
加えて、今後はお客様のお悩みに合わせたコンサルティング提案に力を入れていきたいと考えています。大きくは2つの柱を考えておりまして、1つ目はIT化のコンサルティングです。もうすぐインボイス制度も始まりますし、今後時代の変化に合わせ、IT化を進めていくことは必須だと考えています。ただ、やみくもにIT化を叫ぶのでなく、時代の動向を観察し、お客様が最適なタイミングで無駄のないIT化ができるようリサーチとサービスの構築を行っております。
2つ目は組織運営のコンサルティングです。中小企業ではいわゆる「人の問題」を抱えていることが多く、そのストレスは金銭的にも時間的にも大きな負担です。そんな課題を抱える企業を、より良い状態に導くためのコンサルティングを提供したいと考えています。トップや従業員の特性を見極めるツールを活用することで、組織内の相互理解を深め、従業員それぞれが能力を最大限発揮できるような組織体制や人員配置のご提案をしていきたいと考えています。

 

Q.今後、事務所をどうしていきたいと考えていますか?

経営理念である「Beautiful Business , Beautiful Life」を実現し、「規模も質も地域で一番!」と言える事務所にしたいです。
「Beautiful Business , Beautiful Life」には、ビジネスをもっと論理的で、きれいで、スッキリしたものにしたい!という気持ちが込められています。日本人にとってビジネスはしんどいものかもしれません。でも本当は、しんどい思いをする必要はないんです。中小企業の利益構造や働き方、社長の頭の中、すべてをスッキリさせて、「しんどいもの」から「素敵なもの」に変えたいと思っています。そうすることで、社長やそこで働いている方々、そして私たちの人生も豊かで誇りあるものにしたいと思っています。

 

Q.佐原先生らしくて素敵ですね。
それでは最後に、ご覧になっている経営者の方へメッセージをお願いします。

忙しい日々の中で、今日明日のことばかりが気になると思います。しかし視点は常に高く持っていてほしいと願っています。「こんな会社にしたい」「これで世の中に貢献したい」「一緒いる人たちをもっと良いステージに連れていきたい…」いろんな想いがあるのではないでしょうか。それを掴もうという志を常に持っていてほしいですし、私たちもそのような人と出会いたいと願っています。お客様が大きくなる、成長していく、良い方向に変わっていくことが一番の幸せなのですから。