会計事務所インタビュー

MyKomon会計事務所の会に参加している会計事務所の最近の活動や取り組みをご紹介します。

※掲載情報は、インタビュー当時のものです

資産税を強みに、基本を大切にしながらお客様が困っていることを手助けしたい

「基本を大切にしながら、仕事を通じて人間性も高めたい」とお考えの宮脇先生。これまでの取組みや今後目指したい事務所像を伺いました。

Q.先生が税理士を目指したきっかけを教えてください。

私は、父も自営業、身近な人たちも自営業で会社勤務のイメージを持っておらず、
おぼろげながら「自分も何か自営業をするのだろうな」と感じていました。
大学4年生になり、「何か職業に就かなければ」と思いつつも、就職活動をしておらず、親に心配をかけていました。
そんな私に、ありがたいことにゼミの先生や先輩方が上場企業を紹介してくれたのですが、
やはり何となく会社勤務のイメージが持てず、丁重にお断りしました。

大学卒業時、自営業で身を立てるには資格を取得するのが良いと考えました。
経済学部だったので、公認会計士か税理士が選択肢となり、
個人で事務所を持ちやすい税理士試験に挑戦することにしました。
卒業と同時に税理士試験浪人となりましたが、数か月後の試験で1科目合格することができたので、
「これは自分に向いているかもしれない」と暗示をかけ、最後までやり抜くことができました。
もし、初年度に1科目も合格していなかったら、別の仕事に就いていたかもしれません。

 


Q.先生が日頃から大切にしていること、仕事をする上で心がけていることを教えてください。

会計事務所は、お客様が困っていることに対して手助けをすることで対価をいただく“サービス業”です。
例えば、経理業務のお手伝いや改善提案、税務相談、税務申告業務などのサービスを専門的な立場から提供することです。
税理士法に「税理士の使命は公正な立場から納税義務の適正な実現を図る」と規定されています。過去には、お客様の中に法律違反になることを求めてくる方もいたりして、そのような場合はお客様に説明を尽くしますが、それでも理解していただけない場合はこちらからお断りします。
仕事をする上でお金は大事ですが、一番ではないという考えです。

それから、私は会計事務所では定年まで勤める人が少ないと思います。
職員には、人生の一時期にたまたま同じ職場に集まった仲間という「目に見えない縁」を感じて、お互いに思い合い協力して、苦楽を共にできる仲間意識を持ってほしいと思っています。
仕事を通じて人間性が向上すれば最高です。職員が退職して自分を振り返るときに、「あの事務所でがんばって働けて良かったな」と思えるような職場にしていかなければならないと考えています。

Q.事務所の強みや特徴を教えてください。

他の会計事務所と比較することはできませんが、
会計事務所の強みは人材が優秀かどうかで決まってくると思います。
規模の大きなお客様には複数の担当者が必要ですし、お客様から信頼を得るには担当者の力量も重要です。
そのためには、優秀な人材が育つ環境を用意しなければならないと考えています。

また、当事務所の特徴は、相続税など資産税の相談にも応えられることです。
「資産税チーム」を組んでおり、メンバーは法人の担当を持ちながら相続税申告などの業務に対応しています。
従前は、親に相続の話をすることはタブーと思われていましたが、今日では身近な問題として見聞きし、家族の財産について不安や心配を抱える方が増えてきました。
さらに、基礎控除の減額改正があったことで、相続税の相談が多くなり、どの家庭も問題意識を持っている印象があります。

私は、高齢化社会を見据えて、数十年前から職員にファイナンシャルプランナーの資格取得を推奨してきました。
その結果、資産税に対する意識づけもできました。
税務に携わる者として、法人税だけでなく資産税の知識も身につけてほしいと思います。



Q.事務所として、今後力を入れていきたいことはありますか?

世の中が常に変化し、かなりのスピードで法律も改正されるため、
新しい情報・正しい情報をお客様に伝えなければなりません。
情報の伝え方を工夫しお客様に寄り添ったサービス提供をするためには、
より顧問先に近づくことが大事です。

しかし、現実問題として人材不足は否めませんし、
人は毎年1つずつ歳を重ねますので、人が入れ替わることも避けられません。
今、業種を問わず人材不足の悩みを抱えているところは多いのではないでしょうか。
このような状況ですので、当事務所では業務を効率化する取組みを始めます。
今までその場しのぎでやっていた業務の見直し、効率化できるポイントの発見、
お客様との更なるコミュニケーション、社内の業務分担の検討など、
少しずつでも見直しをしていかなければと考えています。
今いるメンバーで最高の効率化を図り、人材不足と残業削減に立ち向かっています。

 


Q.先生が目指す事務所像を教えてください。

難しい専門的な税務アドバイスができればそれに越したことはありませんが、
高度なスキルが必要ですし、リスクもあります。
当事務所は「普通の会計事務所が提供するべき業務を他よりも早く正確に提供すること」を目指しています。
そのためには、期限までに余裕を残し、約束を守り、時間を大切にするという基本的なことが大切です。
事務所の規模を大きくすることが必ずしも必要なのではなく、
業務の質が高い事務所にすることがお客様にとって役立つのではないかと考えています。


Q.MyKomonがお役に立っていることはありますか?

MyKomonは、2021年1月から運用しています。
これまで日報・顧客管理簿・業務報告書・スケジュール管理・請求書発行などをそれぞれ別々のソフトで運用していましたが、連動性がなく集計などに時間がかかり、時代遅れだと感じていました。
しかし、MyKomonでは顧客情報が一元化され、工数分析もすぐにでき、優れた連動性があります。
また、新しい情報や研修動画も充実していて、職員の自主学習に役立っています。


Q.嬉しいお言葉、ありがとうございます。最後に、経営者の皆様へ一言お願いします。

会計事務所・税理士事務所というと、
少し敷居が高い印象がある方もいらっしゃるかもしれませんが、どうぞお気軽に相談してください。
お客様のニーズに合わせて、ヒアリング・ご提案などさせていただきます。

私は、お客様から感謝の言葉をいただいたときは、仕事のやりがいを強く感じます。
感謝の言葉をいただけるように日々努力しなければならないと思っています。
仕事をよくやったときには、当事務所に限らず全国の会計事務所で働く人たちに、ぜひお言葉をいただけたら嬉しいです。
「この会社のために、もっとがんばろう」と思うはずです。


宮脇先生、ありがとうございました!