Q. お父様が税理士でいらっしゃると思うのですが、渡辺先生が税理士を目指されたのもお父様の影響だったのでしょうか?
はい、父の影響が大きいです。小さい頃から仕事現場やお客様との会食に連れていかれることが多く、父の仕事姿を見て育ちました。そこで、お客様から信頼されているところや尊敬されているところを見ていたので、税理士という仕事はよい仕事だという印象は漠然と持っていました。ただ、父から税理士を目指すよう言われたことは一度もなく、私自身もその道に進もうと考えていたわけではありませんでした。
しかし、高校3年生で大学の学部選択をする際、自分の就きたい仕事・なりたい姿を初めて真剣に考え、そこで思い浮かんだのが父の姿でした。父と同じ税理士になりたいと思い、会計の学部に進み、26歳で税理士試験に合格しました。
Q. お父様に憧れて税理士を目指されたのですね!お父様もきっと喜んでいらっしゃると思います。では、大学卒業後の経歴を教えていただけますか?
専門学校が東京の神保町にあり、専門学校から近いということで神保町の会計事務所に就職しました。実は初めのうちは、父に色々と就職先を紹介されたりもしましたが、親の言うとおりの道に進むのは気が乗らず、反対を押し退け別の事務所に入社したんです。
その後、税理士資格を取得したころに渡辺会計事務所の番頭格だった方が焼き鳥屋さんを開きたいとのことで退職され、父から改めて戻って来いと言われてこちらに来ました。でも実は、その方、焼き鳥屋さんから戻ってきてくれて、今でもここで働いてくれているんです(笑)
Q.それは心強いですね!お父様の事務所を引き継ぐにあたって苦労したことはございますか?
事務所の改革を考える中で父とはかなりぶつかりました。職場環境を変えるような案を出すと一蹴されることも多かったです。
しかし、ふとしたきっかけで創業時の話を聞くことがあり、父と母がどのような想い創業当時仕事をし、ここまで歩んできたのかを知りました。また、お付き合いの長いお客様からは、父が開業した頃から「息子に継いでほしい」と言っていたなんて話も伺ったんです。今までそういった素振りは一切なかったのにと驚きもありましたが、もっと両親の想いを継いでいけるように、事務所のあり方や方向性を考えるようになりました。
Q. とても素敵なご関係なのですね。そういった中で、渡辺先生は普段どのようなことにやりがいを感じていらっしゃいますか?
やっぱりお客様からの「よかった」「ありがとう」が一番やりがいを感じますね。うちは、職員も長く勤めてくれている人が多いんです。焼き鳥屋さんから戻ってきてくれた人もしかり(笑)。それは、お客様が「よかった」「ありがとう」という感謝の心を持ってそれを職員に伝えてくださり、職員がその感謝を感じられるからこそだと思います。お客様にも職員にも恵まれていると感じます。
Q. あたたかいお客様や職員様がたくさんいらっしゃるのですね。事務所の強みについても教えていただけますか?
基本的なことをしっかりとやること。これが一番の強みだと考えています。
会計業界は毎年税制が変わるなど新しいことがどんどん増えていきます。そうすると、その場その場で「こうしたらどうですか、ああしたらどうですか」と提案してしまいがちですが、私たちの基本指針「基本的なことをしっかりとやる」ことは忘れないようにしています。例えば、法人のお客様だと月次や決算の作業をしっかりとやる。当たり前のことを当たり前に、しっかりとやるためにはどうしたらよいかを考えて行動する。これを徹底しています。
そのために取り組んでいることは、毎朝の朝礼と掃除。毎朝8時30分から45分まで15分間しっかり朝礼をします。「おはようございます」の発声練習や社是社訓の斉唱、予定の確認を行っています。その後、45分から9時まで全員で掃除をします。私も一緒に雑巾で机を拭きます。そんな風に、毎朝、仕事モードに切り替えるための準備運動を行い、一日のスタートを気持ちよく切れるようにしています。これが効率よく働くためのルーティンだと思います。
昔は、職員にも終電まで残って仕事をしてもらっていましたが、今では繁忙期もみんな17時に帰宅します。ほとんど残業はありません。当たり前のことを当たり前に行う、基本の徹底、これを常に心がけることで、お客様からの信頼を得ることにも繋がると考えています。
Q.では、そういった活動をする中でMyKomonがお役に立てていることはございますか?
MyKomonはいろいろと活用させていただいておりますが、特に効率化が図れたのは日報です。以前は日報を紙で所長に提出してもらい、所長が翌朝それを見て返却していたんです。そこをMyKomonに切り替えたことで、職員がすぐに提出したり、外で日報を確認したりができるようになりました。これでかなり時間削減ができたと思います。日報で職員が何をしたのか、何に困っているのかを把握し、すぐに対処できるので、かなり重宝しています。
Q.お役に立てて嬉しいです。最後にご覧になっている経営者の方々にメッセージをお願いいたします。
今時代の変化はとても早いです。それについていくために変えないといけない部分もあると思いますが、反対に変えてはいけないものもあると思っています。「創業者の想いや精神」、これは二代目三代目になったとしても受け継いで行かないといけないものです。ただ、変えるものは変える。その変化についていくことも大事です。時代とともに変えるものと変えないものをしっかりと認識し大切にして、会社の未来に向けて一緒に取り組んでいけると嬉しいです。