Q.先生の事務所は先代のお父様から引き継いだと伺いました。税理士を目指そうとしたきっかけはお父様の影響でしょうか。
最終的にはそうなりますね。でも最初は全く税理士になる気なんてなかったんです。
父親は昔から「勉強しろ、勉強しろ」と言っていて、友達の家に遊びに行っている時も電話をかけてきて「勉強しろ」と。その反発もあり、最初は格闘家になろうとしていました。
ただ、高校には格闘技系の部活が無かったのでラグビー部に入り、大学生の頃、最寄り駅にキックボクシングジムができたのをきっかけに格闘技を始めました。 でも結果は5戦5敗。視力がちょっと弱かったことや、顔が人より大きくて当たりやすいとか、向いてないのだなと思いました。そんなこんなで、当時付き合っていた彼女に振られたことも重なり、格闘家への道はあきらめましたね。
その後、大学を卒業して父親の事務所でアルバイトをしていたら、業務が面白くなり始めたというか、ちょっと勉強してみようかな?と思うようになりました。そこから約12年かけて36歳で資格を取得し、プライベートでは結婚もして、平成24年に事務所を引き継ぎ、翌年には法人化しました。
格闘技のほうで何か一つでも成功していたら税理士の道には来なかったかもしれませんね。
Q.アルバイト時代から引き継ぐまでの間、事務所の経営には携わっていらっしゃったのですか。
アルバイト時代はほぼ完全にアルバイトでした。実際どうだったかは分からないのですが、本当に何も知らずに入所したので「この人、大丈夫かな?」と周りからは思われていたかもしれません。ベテランの職員さんたちに守られながら、今の場所にたどり着いたという感じです。
二代目になった時も心配されていたと思います。それまでは完全なプレイヤーで、フル稼働で行きつくところまでやる!というスタイルだったので。でも、経営のことを何も知らないのは恥ずかしいと思って必死で勉強しましたね。ただ、代表になった今でもプレイヤー精神はなかなか抜けず、プレイヤー:経営者=6:4くらいでやっています。ラグビー部時代に副部長をしていたこともあり、トップを手助けしつつ自由にやる方が好きなんですよね。
Q.周囲の人の助けもあって今に至るのですね。事務所を引き継いで大変だったことはありますか。
やっぱりやり方の違いですね。先代の時によく言われていたのが「個人商店の集まり」でした。各個人が担当を抱えて、特に引継ぎもなく「これはあなたの先だから行ってこい」というような。
ただ、それだとブラックボックス化してしまうし、突然の引継ぎも大変なので、今はだいたいチームで当たるようにしています。一人に何かあってもカバーに入れるようにと。
あとは挨拶回りですね。これまでは自分の担当先に会いに行けばよかったのが、知らないお客様や、それこそMyKomonさんやお客様以外の外の方に挨拶に行くことも増えました。最初は慣れなくて大変でしたね。
Q.確かに、プレイヤーと代表と立場の違いで大きく変わる部分ですね。それでは事務所の強みや、力を入れている部分を教えていただけますか。
強みと言えるかは分からないですが、建設業のお客様がものすごく多いですね。そのノウハウはあるかもしれません。
取り組みとしては顧問料実質無料化計画というものをやっています。税理士法人H-Baseが関わったことで、お客様が顧問料以上の固定費の削減や、成果を出せたら顧問料実質無料だよねという考え方です。
あとは営業外収益を増やして財務基盤を安定させる取り組みを最近始めました。とあるセミナーに参加したんですがそれが面白くって、事務所でもやり始め、お客様にも勧めています。営業外収益が分厚くなればお客様の会社も安定するし、税理士法人H-Baseとしても安定したお客様になり、お互いがハッピーになります。
Q.確かにお互いwin-winな取り組みですね。ハッピーと言えば、今年リニューアルしたHPにも「『みんなを幸せにする会社』を創る会社」というキャッチコピーが掲載されていますが、当初からある理念なのでしょうか。
そうですね。結局、僕自身が一人前になるまでに周りの職員さんに支えられてきて、職員さん自身も辞めずにうまく回してくれたのがすごくありがたくて。そこに恩返しするとしたら、給料だったり、職場の環境を良くしたり働きやすくしていくことなのかなと。
そこで掲げる言葉を考えたとき、「人のために灯をともせば、自分の前も明るくなる」という仏教の言葉を思い出しました。暗い中、前を行く他の人のために照らしてあげたら、人の前を照らしているようだけど自分の目の前も明るくなっていくという例えを見て、「これ、これだよね」と。この考えを自分の言葉・気持ちに置き換えて経営理念にして、実践していこうとしています。
Q.素敵なお考えですね。職場環境をよくしていくためMyKomonはどうお役立ていただいていますか。
MyKomon契約前はいろいろなツールを利用しすぎていて、職員さんからも「どれを使うか決まったら教えてくれ」と言われていました。「ツール、特にグループウェアは基本MyKomonを使う」と決めてからは、たくさん使っていたツールもかなり減ったと思います。
あとはだいたい毎日業務報告書が上がってくるのですが、僕では普段聞けない話を職員さんが聞いていたり、上手に交渉していたりして、良い事例が共有されています。気になったことはコメントもできて、適時にお客様の状況を把握できています。
それから料金の基準も工数分析で見ています。生産性分析も損益分析も使って、適切な料金で適切なサービスの提供ができているかを見ています。
Q.最後に、今後の事務所の展望や目標、経営者の方へのメッセージをお伺いしたいです。
今51歳で、60歳までに売上5億・職員数50人を着地目標としています。まだまだ頑張らないとです。とはいえ採用も難しくなっているので、会計事務所のM&Aも含めて拡大については考えています。
福利厚生はまだまだ試行錯誤中です。事務所でお弁当を手配して費用を半分事務所が持つというのをやったのですが、日替わりだけど毎日同じ味付けで飽きてしまったり、事前に決めるのが大変という声も聴きました。
それからやっぱり営業外収益ですね。これを伸ばすコンサルティングももっとやっていきたいです。ある程度資金がないと難しいですが、寝ている預金を利用して収益を増やし、社長が安心して引退できるような戦略を提案しています。相続対策や株価対策などもふくめ1~2年かけてコンサルしていきます。
営業外収益コンサルに興味のある方、まだ税理士法人H-Baseと関わっていない方、いらっしゃればぜひお声がけください!