Q.まずは税理士を目指されたきっかけ、独立までの経緯を教えてください
高校生の頃は理系でしたが、進路を考える中で、工学部などの理系学部やその先の研究職にはあまり興味が持てないことに気づきました。一方で、もともと経営には関心があり、「経営コンサルタントなら数学の要素も活かせるのでは」と考え、大学では経済学部に進学しました。
大学進学後、経営コンサルタントになるにはどうすればよいかを考える中で、中小企業診断士など様々な職業を知る機会があり、その中でも税理士に最も魅力を感じました。税理士であれば経営者の話を直接聞くこともできるため一石二鳥だと考え、大学3年生の頃から資格取得に向けて勉強を始め、大学卒業後は公認会計士事務所に勤務しました。
その後、働きながら税理士資格を取得し、居心地の良い職場でお客様にも恵まれていたため10年以上勤務を続けました。ただ、いずれは独立したいという思いもあり、気力・体力のある30代のうちに挑戦したいと考えて昨年4月に独立開業しました。

Q.独立開業されて1年半が経過しましたが、事務所の強み・注力されていることはなんですか
「レスポンスを早くする」ということは常に意識しています。お客様は私と同年代の30〜50代の方が多く、事業を始めて間もない方も多くいらっしゃいます。そうした時期には悩みも多いため、親身に相談に乗ることを心がけており、そのためにも迅速なレスポンスを大切にしています。税務・会計以外の分野で私が対応できないことについても、他士業の先生方と連携することで、「困ったらまず相談してもらえる存在」でありたいと考えています。
加えて、経営計画の作成・実行管理といった「経営支援業務」にも力を入れています。税務・会計業務で扱う帳簿類は、あくまでも過去から現在の姿を示すものです。もちろん現状把握も重要ですが、過去・現在だけでなく、「今後どうするのか」「どうなりたいのか」といった未来についてお客様と話し合いたいと考えています。ただ、未来の話をする際に根拠となる数字がなければ、議論が曖昧になってしまいます。そこで、数字に基づいた明確な計画を立てるためにも、経営支援業務に注力しています。
Q.初めてお会いした時から経営支援についてのお考えは伺っておりました。せっかくの機会ですので、経営支援について詳しくお聞かせください。
経営計画の作成をお手伝いする中で強く感じるのは、「目標がなければ、その1年の成否を振り返ることができない」ということです。目標がなければ、1年を振り返る際の指標は「前年と比べてどうか」「黒字か赤字か」程度になってしまいますが、これらの指標は成長過程の会社様にとってはあまり意味がないと考えています。例えば、前期の売上がほとんどなかった会社様が、今期の売上と比較しても、単純な増加だけでは十分な評価にはなりません。前期より売上が上がっていること自体は良いことですが、より重要なのは、お客様自身が目指すべき姿と照らし合わせて1年を振り返ることだと思います。
お客様が実現したい目標を明確にし、目標に対して足りている部分・足りていない部分を把握したうえで、改善に向けたPDCAサイクルをしっかり回すことが、事業の成長スピードを大きく加速させることにつながります。
また、創業間もない会社様はもちろんですが、成熟過程の会社様に対しても経営支援業務はお役に立てると考えています。「経営計画を作成したい」「実行管理をしたい」と思っていても、知識がない、経理部長や財務取締役がいないなどの理由で取り組めていない会社様も多くいらっしゃいます。創業間もない会社様だけでなく、そうした成熟過程の会社様に対しても、経営計画の作成・実行管理のご支援ができればと思っています。

Q.今後はどのような事務所を目指されますか
規模の拡大よりも、お客様に対して質の高いサービスを継続して提供することに重点を置いています。そのうえで、税務はもちろんのこと、「経営支援を頼むなら岡原先生の事務所だよね」と言っていただけるような存在を目指しています。
そして究極的には、「お客様の業績向上に貢献できれば」と考えています。税務・会計ももちろん重要ですが、どちらかというと“守り”の領域ですので、お客様が苦しい状況にあるときには、業績の向上にまで貢献できるよう努めたいと思っています。もちろん、事業を運営されるのはお客様ご自身ですので、私にできることには限りがありますが、少しでも業績改善の一助となれるよう尽力したいと考えています。
また、経営支援業務ではお客様の事業についてお話をお聞きする機会が増えるため、税務・会計の話以上に密なコミュニケーションが取れると感じています。コミュニケーションをとる中で、お客様に信頼いただき、事業のパートナーとして困ったらまずは相談してみようと思っていただけるよう努めていきます。
Q.そのような事務所を目指される中で、MyKomonがお役に立てていることはありますか
お客様への情報提供ツールとして非常に役立っています。また、お客様とのコミュニケーションの時間を増やすためにも、管理の手間を増やさずに済むように、MyKomonでさまざまな情報を一元管理できる点はとても助かっています。もちろん、経営支援業務を行っている以上、自事務所の工数分析もきちんと行っています。
Q.お役に立てて嬉しいです!最後に経営者の皆様へメッセージをお願いします。
経営に関してお悩みの方がいらっしゃれば、どうぞお気軽にご相談ください。また、経営計画の作成・実行管理にご関心がある方は、ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。

