Q.税理士を目指したきっかけ、独立までの経緯を教えてください。
私はもともと税理士を目指していたわけではありません。工業高校出身の私は、就活の一環として公務員試験を複数受験し、中でも将来性、安定性から国税を選びました。強い志や正義感があったわけではなく、あくまで偶然の選択でした。
国税に入ってからは長年にわたり税務行政に携わり、多くの経営者の方々と接する機会を得ました。税務調査の場面においては、例え周囲から人望が厚く社会的に高く評価されている経営者でも、不審な取引や不透明な資金の流れなどを指摘すると態度が豹変する方もおられ、現実には非常にシビアな側面があることも実務を通じて経験しました。私は当時、定年まで国税で勤務すると思っていましたが、身近な先輩方が独立し、新たな道を歩む姿を目の当たりにしました。これがきっかけとなり、「自分も別の形で社会に貢献できるのではないか」と考えるようになりました。多くの経営者の方が、不安や疑問を抱えながら会社経営に取り組んでいる現実を知り、身近な立場で寄り添い、安心していただける存在になりたいという思いが徐々に強まりました。
独立を決意してからは、まったくのゼロからのスタートでした。初年度の売上は約150万円と非常に厳しいものでしたし、最初の数年間は手探りの日々でした。国税時代は組織の一員として仕事をしていましたが、独立後は全ての責任が自分にかかることを痛感しました。自身の判断や行動が事業の成否に直結することは大きなプレッシャーでしたが、それでも「なんとかなるだろう」という前向きな気持ちで歩み続けました。特に大切にしていたことは、お客様の話を丁寧に聞くことです。お客様が何を求めているのかを正確に理解することが、信頼関係の構築につながると考えています。

Q.税理士としての仕事の楽しさややりがいは何ですか?
国税の勤務時代と税理士としての仕事は、視点が大きく異なります。国税では帳簿調査や質問調査により不審な取引を把握して追及する立場でしたが、税理士は法令を基準にお客様を守る立場です。そのため、お客様のニーズや課題を正確に把握し、将来に向け実現可能なこととそうでないことを整理することが重要だと考えます。そこから、自身の知見や経験を活かして、より良い方向へ導くことに大きなやりがいを感じています。
また、国税で得た税務調査の知識や対応ノウハウは、独立後も大きな強みとなっています。税務調査の際には、調査協力とともに行き過ぎた調査から経営者を守ることで、お客様からの信頼を得ることができています。日常の打ち合わせでも、税務調査を行う側の視点を踏まえた提案ができることは、国税出身税理士の財産だと思っています。

Q.事務所全体で取り組んでいることはありますか?
当事務所では、業務の効率化と生産性向上を目指し、積極的にデジタル化を推進しています。これまでアナログで行っていた作業を洗い出し、デジタル化できる部分から着実に改善を進めています。一つの成功体験が次の取り組みの原動力となり、職員が自主的に課題を発見し行動する好循環が生まれています。昨年はAIリスキリング研修も実施し、職員のAI活用スキルを向上させることで、さらなる業務効率化を実現しています。
また、コミュニケーションの円滑化も重要視しています。毎朝のミーティングで各自の業務内容や気づきを共有し、トラブルやミスが発生した際は原因を分析し、改善策を共有することで再発防止に努めています。これらの取り組みのおかげで、事務所全体の雰囲気は非常に良好で、働きやすい環境を維持しています。
今後は、事業承継や相続に対応できる人材育成にも注力していきます。法人・個人を問わず、経営者の皆様が最終的に直面するのは事業承継や相続問題です。そういった問題に対し、資産税を中心とした研修を通じて職員の専門性を高め、中長期的な経営支援を目指しています。

Q.MyKomonは事務所の仕事に役立っていますか?
当事務所では、MyKomonを積極的に活用しています。特に「共有フォルダ」は職員やお客様から非常に好評で、双方向で書類のやり取りがスムーズになり作業負担の軽減とペーパーレス化も進んでいます。
また、「業務報告書」もデジタル管理されているため、誰でも閲覧可能であり、面談記録の適切な保存と活用に役立っています。
さらに、「相続財産シミュレーション」は複数パターンでの分割案作成や相続税の概算計算が簡単にできるため、実務の効率化に必要なツールとなっています。
Q.最後に経営者の方へメッセージをお願いします。
これからも「誠実かつ丁寧に」を基本に、お客様に信頼される税理士であり続けることを目指し、日々研鑽を積んでまいります。経営者の皆様の成長と発展を中長期的な視点で支えられるよう、今後も体制強化とサービス向上に努めてまいります。

