会計事務所インタビュー

MyKomon会計事務所の会に参加している会計事務所の最近の活動や取り組みをご紹介します。

※掲載情報は、インタビュー当時のものです

税務だけでは終わらない。「よろずや型税理士」として

「質」を追求し、税務の枠を超えて経営者に寄り添う松山先生。経営者から学んだ人生力を原点に歩んできたこれまでと、これからの展望を伺いました。

Q.先生が税理士を目指したきっかけを教えてください。

 高校1年生の頃は、テニス部で理不尽なことがあると先輩にも食って掛かるような生意気な学生でした。そんな経験から、組織の中で働くよりも、自分で商売をやりたいと考えるようになりました。その後大学で経済学を学び、簿記や会計に出会って一念発起して勉強を始めました。「在庫を持たず、自分の知識や経験を活かせる仕事」「資格がなければできない専門性の高い仕事」として、やりたい中で一番保守的なものを選んだ格好です。
 でもなかなか資格が取れなくて。苦節十何年、普通だったら途中で諦めてしまうような時間をかけて取りました。自分の取り柄でもあり欠点でもあるんですが、一度決めたことはやり続ける。その結果だと思っています。
 税理士資格取得前から今に至るまで、多くの経営者の方と話が出来たこともいい経験になっています。会社がなくなれば家庭にも大きな影響が及ぶ。そんな覚悟で社員や家族を背負いながら経営している方々の姿を間近で見ることができました。その重みや責任感、人生力とも言える生きる力を学べたことは、税理士を目指してよかったと思える大きな理由の一つです。

Q.最初から独立志向だったとのことですが、事務所設立の経緯を教えていただけますか。

 大学卒業後、新卒で会計事務所に勤務し、働きながら勉強させてもらいました。
 資格取得後、2年は恩返ししてから独立しようと思っていたところ、独立予定の半年前に当時の所長が亡くなりました。税理士資格を持ち、事務所を引き継げるのが自分しかいないということもあって承継するかたちで独立することになりました。当時の事務所は4名体制。まず取り組んだのは新規顧客開拓ではなく、既存のお客様との信頼関係を築き直すことでした。
 
その後は東京商工会議所の異業種交流会などを通じて弁護士や社会保険労務士といった他士業とのネットワークを広げ、紹介を中心に少しずつお客様を増やしてきました。

Q.先生が仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。

 私は税理士を「最強の資格」だと思っています。
 税理士資格を取得した後も、税務や会計だけにとどまる必要はありません。コンサルティングやM&A、その他さまざまな分野に可能性がありますし、会社を立ち上げた方が最初に相談する専門家の一人が税理士だと思うんです。
 だからこそ、相談いただいたことには可能な限り応えたいと考えています。税務だけでなく周辺業務も含め、まずは自分で調べ、考え、それでも専門的な対応が必要であれば信頼できる専門家をご紹介する。そのような「よろずや型税理士」でありたいと思っています。
 
また、私自身、お客様の多くを弁護士や社会保険労務士など他士業からのご紹介で増やしてきました。ご紹介いただいた方の顔を潰すわけにはいきませんから、自然と責任感も強くなります。
 相続業務も同じです。人が亡くなったことをきっかけにご依頼いただく仕事だからこそ、服装や振る舞い一つにも気を遣います。亡くなった方とのお付き合いはあっても、相続される方とは初めてお会いするケースも少なくありません。その後、新たなお付き合いにつながることもあります。
 人間ですからミスをすることもあります。ただ、日頃から誠実な対応を積み重ね、信頼関係を築いていれば、そうした場面でも信頼関係に支えられることがあります。
 信頼は積み重ねるものですが、失うのは一瞬です。だからこそ、お客様との関係を大切にしながら、ひとつひとつの仕事に向き合っています。

Q.これから挑戦していきたいことや、事務所の展望を教えてください。

 事務所として、規模を追い求める考えはありません。目指しているのは「質の追求」です。
 AIの進化によって定型業務は大きく変化していくと思いますが、お客様一人ひとりの状況や気持ちに寄り添う部分は、人にしかできない価値だと考えています。そのため、これからもお客様との関係性を大切にしながら、より専門性の高いサービスを提供していきたいと思っています。
 今後特に注力したいのは資産税分野です。
 現在は遺言執行業務も行っていますが、今後は家族信託などの分野にも対応し、お客様の資産承継をより長期的にサポートできる体制を整えていきたいと考えています。高齢化が進む中で、相続だけでなく、生前からの資産管理や承継に関する相談ニーズはますます高まるはずです。そうした時代の変化にも柔軟に対応していきたいですね。
 また、かつて自分自身が勤務しながら資格取得を目指し、先輩方に育ててもらったように、これからは若い人材の育成にも力を注いでいきたいと思っています。

Q.そんな事務所運営にMyKomonはどのように役立っていますか。

 工数分析は事務所運営に役立っています。社員の給与を上げていくためにも、事務所として付加価値を高めていかなければなりません。その判断材料として活用しています。
 付加価値で言えば、ニュースレターも役立っています。消費税関係の変更で一斉値上げを行ったんですが、ただ値上げさせてもらうだけでは申し訳ないと思って、ニュースレターをお客様に配信しています。「基礎控除が変わりました」といったMyKomon内で流れるニュースやトピックなども、情報提供で活用させていただいています。

Q.経営者の方々へのメッセージをお願いします。

 自分や会社の可能性を自分で決めつけないでほしいと思います。 「年齢的に難しい」「自分には無理だ」と考える前に、まずは挑戦してみることが大切です。もちろん、経営にはリスク管理も必要です。どこまで挑戦するのか、どこで撤退するのかを冷静に判断しながら、一歩を踏み出してほしいと思います。 
 私自身も、「やらない後悔より、やって後悔する方が良い」という考え方で歩んできました。時代や環境、人のせいにせず、どんな状況でも、その中で何ができるかを考え続けることが経営者には求められるのではないでしょうか。